最初に断っておくが、別段韓国大統領選に興味があったわけではない。
保守、革新のどちらが勝っても負けても、日本にとって大差があるはずがないからだ。
しかし野次馬的に見れば、尹錫悦が勝てば「我らが」文在寅の首筋が冷たくなる。
いくら韓国では恒例とは言え、あれほど日韓関係を破滅的に悪化させた大功労者が、先達同様に哀れな末路を辿るのは些か気の毒だ。
そんな思いで、韓国投票〆切りの3月9日午後7時30分から30分後から放送されたBSフジのプライムニュースで、韓国大統領選の特番を見た。
登場人物は、この番組で韓国問題を取り扱う時の常連コメンテータの四人、
・松川るい 自由民主党国防部会長代理 参議院議員
・武藤正敏 元駐韓国特命全権大使
・黒田勝弘 産経新聞ソウル駐在客員論説委員(リモート出演)
・李泳采 恵泉女学園大学教授
文在寅派バリバリの李泳采以外の三人は、明らかに文在寅に批判的な保守支持派だ。
ところが番組開始に口火を切った武藤以下全員が
・思っていた以上の大接戦
・出口調査の結果は尹錫悦のリードがわずか0.6%
・投票率も予想よりも低い
・期日前投票は過去最高
・このいずれも李在明に有利
・与党革新側の李在明が優勢
との結論だった。
李泳采の身贔屓は織込み済みとしても、本来は李在明に批判的な三人揃って尹錫悦苦戦と予想するのだから勝負は見えた。
そう思って早々に寝入ってしまった。
そして翌朝6時、ヤフーニュースを見たら何と「韓国五年ぶりに政権交代、僅差で勝利」と伝えている。
返す返す言うが、別段尹錫悦が勝って李在明が負けたことに文句があるのではない。
日本との関係では、どちらが大統領になっても日韓関係が劇的に良化することはない。
それよりも、日韓関係の専門家と称するコメンテータたちの、誠にいい加減な言説がアタマにくるのだ。
少なくとも、尤もらしいしたり顔で大統領選を云々していたこの連中のネタ元は、それまで既に巷間に流布していた程度の代物だ。
しかもその結果は大外れ。
専門家として、それまでの大統領選をキチンと取材してきたとは思えない。
結果判明後早速、ジャーナリストの辺真一は「尹錫悦の五つの勝因」を挙げた。
・投票率が下がらなかった
・首都ソウルと忠清道の大都市・大田で勝った
・与党優位の光州と全羅道で保守派として過去最高の得票を得た
・国民の政権交代の熱望が政権継承を上回った
・コロナ感染拡大、北朝鮮ミサイル発射、ウクライナ問題が追い風に
らしい。
後付けの屁理屈なら、何とでも説明できる。
その証拠に辺真一も、事前には「接戦なら李在明、大差なら尹錫悦」と自信満々に予測していた。
結果が出た後の能書きなど、これほどに無意味だ。
反日ゴリゴリの李在明に対して現実派の尹錫悦なら、戦後最悪の日韓関係が良くなるかもしれないとの期待がある。
しかしそんなことはない。
何故なら、確かに尹錫悦に投票した韓国人のごく一部は、日韓関係の改善を求めているかもしれない。
しかし韓国の残りの半分は、前科四犯でしかも叩けばいくらでもホコリが出る李在明に投票したのだ。
こんな異常な候補者が、国民の半分から支持された。
しかも、尹錫悦とほぼ同じ票を獲得した李在明支持者は、間違いなく全員が反日だ。
更に韓国国会は、六割が李在明所属の「共に民主党」の議員だ。
仮に尹錫悦が、日韓慰安婦合意を復活させようとしても、徴用工問題への国際法適用を模索しても、韓国民がそれを許すはずがない。
これほどまでに韓国は、異常な反日国家だ。
韓国は未来永劫、骨の髄まで反日国家なのだ。
日本に対して韓国が、一番手っ取り早くカネを稼ぐ手段の「反省と謝罪を求める」反日カードを手放すことは絶対にあり得ない。
知れば知るほど、韓国は重要な隣国などとは思えない。
日本にとって、あり得ない日韓融和の期待を持たせる尹錫悦よりも、文在寅と同じ穴の狢の李在明の方が、腹が括りやすい指導者なのだ。
今回の韓国大統領選で、尹錫悦が勝ったことだけは間違いない。
しかしそのことに淡い期待を持つと、必ず後で手痛いしっぺ返しを食うことになる。
韓国は、誰が大統領になっても一緒。
敬わずして遠ざける!
日本の対韓国の外交姿勢は、その一点に尽きる。