他のどこにもないほど部屋付きの露天風呂が豪華で、誰にも遠慮することなく、心行くまで温泉気分を満喫できる。
更に、趣向を凝らした料理も売りだが、欠点は値段が高いこと。
その為、気に入っている割には、この10年間で三回しか訪問していない。
今回は福島県の桜見物で、四回目の訪問。
旅初日の予定は、五年前にその素晴らしさに圧倒された、三春の滝桜を再訪し、続いて、旅館近くの観音寺川桜祭りとなっている。
そんな計画で4月22日午前8時、愛車を駆って一路福島会津磐梯山のふもとを目指して出発。
途中の高速道路は全くスイスイで、午前11時、三春滝桜に到着。
五年前は小雨の中、満開の滝桜を堪能したが、今年は一日前が満開だったらしい。
この日は既に、ほんのちょっと葉桜が見えたが、それでも多くの観光客が押しかけていたし、その迫力は健在だった。
天気は雲一つない快晴の今年は、時間をかけてグルリと一周。
高台からの滝桜もまた、一見の価値ありだ。
前回はほとんどいなかった中国人が、結構増えていた。
小一時間桜見物の後、近所の蕎麦屋へ。
店の前の駐車場は、ほぼ満車。
幸いすぐに席にア案内されたが、いつもは順番待ちの列ができるらしい。
ザル蕎麦大盛りで850円は安いし、雛には稀なほどうまい。
スッカリ腹ごしらえができたところで、猪苗代の観音寺川のさくら祭へ移動。
車のナビでは、小一時間かけて到着した場所が観音寺川桜並木のはずなのに、桜の欠片も見えない。
畑仕事をしていたおばさんに聞いても、福島弁の説明で要領を得ないが、どうやら場所が違うようだ。
何とか、教えられた通りに進み、目印のホテルに着いたはずなのに、やはり桜の花は全く見えない。
しかも近くには広い墓場があり、年寄りが集団になって歩いている。
自分たちの墓場でも探しに来たのかと思って近づくと、何とそこがさくら祭の会場だった。
そして肝心のさくらは、これまた見事なまでにつぼみのまま。
わずか30キロメートル東側の滝桜は、散り始めているのに、観音寺川の方は開花すらしていない。
「つぼみもまた桜見物」と強がっては見たものの、その落差の大きさに驚いてしまった。
時間つぶしに、そばのスキー客用ホテルのラウンジでコーヒー。
客はもちろん一人もいない。
分譲マンションも販売中だったが、今の季節はゴーストタウン化している。
午後3時、旅館到着。
五年前は老夫婦から迎えられたが、この日はかなり若返った夫婦が玄関にいる。
聴くと、4年前に先代が引退したので、息子夫婦が後を継いだとのこと。
以前は愛想のない女将だったが、今回は夫婦揃って実ににぎやかで温かい出迎えだった。
さっそく観音寺川では桜が咲いてなかったと訴えると、この周辺はスカイツリーと同じ高さなので、開花は周辺よりもはるかに遅いと教えられた。
但し、翌日訪問予定の喜多方や会津若松は、今日明日が満開と聞き、すっかり安心。
午後4時には、第一回目の露天風呂入浴で疲れをとる。
6時40分からの夕食は食べきれないほどのボリュームで、且つうまい。
翌日は、喜多方と会津若松の桜見物の予定なので、早々に眠りについた。