23日午前8時、旅館の朝食は、とにかく品数が豊富だ。
それを、何一つ残さず平らげる。
更に生来の貧乏性から、小食の妻が残したものまで食べるので、朝から食べ過ぎになってしまう。
名残惜しい旅館だが、10時半チェックアウトして、一路喜多方日中線のしだれ桜並木道へ向かう。
最初は順調なドライブだったが、桜祭り会場に近づくにつれ、渋滞がひどくなってきた。
この辺は、昨年の弘前城さくら祭と一緒だ。
何とか会場から少し離れた場所で駐車場を確保し、いよいよ今回のさくら旅最大のハイライト「喜多方日中線のしだれ桜」見物。
ところが、5キロメートルに渡ってしだれ桜が咲き誇っているはずだし、写真では凄い迫力だったが、実物はどうも違う。
確かに歩道の両脇に、数千本と言われるしだれ桜が並んでいるが、全部が小ぶりなのだ。
染井吉野桜の淡い色に比べ、こちらは見事なピンク色なのでインパクトはあるが、今一つ魅力がない。
これが福島県一番の桜の名所とはと、少々拍子抜け。
午後1時になったし、せっかくの喜多方だからとラーメン屋へ。
労麺会の店が良かろうと、桜祭り会場に近い「角屋」へ。
先客が五人並んでいて、その後ろで待っていると、食べ終えた客が出てくるなり「遅い!」と愚痴る。
やっと順番になって店に入ると、店番も賄いも全部ばあさんがやっている。
注文すると、紙に手書きで「中華550円」と書き込み、これが注文書兼請求書の役割を果たす。
将に今時にしては、超アナクロシステムだ。
肝心のラーメンは、お世辞にも美味いとは言い難いが、あんな年寄り連中が料理しているのならこんなものと諦めた。
ナビの指示通りに、細く曲がりくねったややこしい道を進むと、有料駐車場にたどり着く。
鶴ヶ城は何度も来たことがあるが、桜のシーズンは初めて。
この日はまさに花弁が散り始めた日で、場内に入った途端、文字通り桜吹雪の中を歩くことになった。
あれほど咲き誇っていた桜の散り際と、その桜越しに見る鶴ヶ城の景観の美しさをみて、最高の感激に浸った。
場内で植木屋が、花木を売っていた。
ちょうどフジの花が咲き始めたころで、なかなかの枝ぶりの植木が並んでいた。
立ち止まっていると、植木屋が寄ってきて、アレコエと説明してくれる。
話していて何とも感じの良いお兄ちゃんだったので、今回の旅行記念に一鉢購入。
お兄ちゃんが、栽培の方法まで懇切丁寧に教えてくれたので、来年以降が楽しみだ。
今回は、福島の桜名所ベストワンからベストフォーまでを訪問したことになった。