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フランスの「黄色いベスト運動」の大義とは?

フランスで続く「黄色いベスト運動」は、フランス版「黄巾の乱」と言うらしい。

昨年11月から毎週土曜日、黄色いジャケットを着用してシャンデリゼ通りをデモしていたが、段々先鋭化し、とうとう店舗焼き討ちにまでいってしまった。

元々は、燃料価格が上がり生活が苦しいと訴えていたようだが、マクロン大統領の辞任まで要求し始めた。

当初はまるで無視を決め込んでいたマクロンも、いつまでもデモが鎮静化しないどころか、暴徒化する事態に、一転して税制の見直しを約束するなど、フランス政府もかなり混乱気味だ。

 

そんなところに、この4月にノートルダム大聖堂で火災が発生した。

マクロンが、火災発生の二時間後には現地を訪問したのが、いかにも美談ととらえられていたが、必死に消火作業中の作業員には迷惑至極でしかない。

この辺は、福島原発事故の際に、ヘリで現地に飛び、却って大混乱を引き起こした、民主党政権時代の菅直人にも似ている。

マクロンは、デモへの対処ですっかり低迷中の人気回復策として、絶好の機会と考えたのだろう。

マクロンの思いが通じたのか、貴重な文化遺産が焼失は、フランスだけでなく世界中を深い悲しみに包み、復興のためのチャリティが1250憶円以上も集まったらしい。

世界的な名所だし、キリスト教徒にとっては一種の聖地なのだろう。

僕も、「さすがノートルダム大聖堂だ」と、歴史的建造物を所有するフランスに尊敬の念を持った。

 

ところがテレビのニュースで、驚き、呆れるような場面を見てしまった。

例の「黄色いベスト運動」は、今でも定期的にデモをやっていて、そのデモ隊の一人がインタビューに答えていた。

彼は、「大聖堂の復旧に1250億円も集まったのなら、自分たち貧乏人にも分け前をよこせ」みたいな主張をしていたのだ。

今回の黄色いベスト運動は、庶民対富裕層、貧乏人対金持ちの階級闘争で、貧乏人の反乱だとの見方がある。

共産主義の提唱者、カール・マルクスとフリードリッヒ・エンゲルスは、「全ての歴史は階級闘争」と書いた。

確かにマクロン大統領の施策が、富裕層優遇だとの不満を、デモで訴えるのは効果も期待できるのだろう。

 

しかし、政府や社会からの支援を求めるのは、次善の策で、先ずは自力で、貧乏を脱出するための努力をすることが前提のはずだ。

世界中からチャリティ金が集まるのは、ノートルダム大聖堂にそれだけの価値があり、皆が心から復旧を願っているからだ。

残念ながら、個人的に貧乏なのでカネをくれと願っても、誰も助けてはくれませんよ。

 

勿論、フランス人全部が、こんなアホな本末転倒発言をするはずはない。

しかし何でもかんでも人の所為にしてしまう輩は、日本だけでなく、フランスにもいることが分かった。

一部からは、黄色いベスト運動こそフランス民主主義の象徴との声も聞こえてくるが、車やレストランを焼き討ちするような行為に大義、正義があるわけがない。

こんな連中が、腹立ち紛れで暴徒化し、暴れまわっているフランスの民度も大したことはない。