昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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音楽

テレビを見なくなって久しい。

偏向番組が多いし、コメンテータと称する輩もほとんどがインチキ野郎だ。

時間をかけてまで、そんな連中の出鱈目話を見たり聞いたりする必要はない。

 

その代わり、朝から音楽を聴く。

こちらは七面倒な屁理屈はないし、自分のイマジネーションも刺激される。

 

僕の父は、ひどい音痴だった。

しかし、自分で全く気が付かない。

むしろ、人前で歌うとヤンヤの大喝采を浴びるものだから、てっきり歌が上手いと思い込んでいたらしい。

しかし定年で会社を去る時、同僚から「貴方は音痴だ」と注意され、大ショックを受けたと話していた。

それでも性懲りもなく、老人会のバス旅行では十八番(と言っても持ち歌は一曲だけだが)の三橋美智也の「古城」を披露するので、母親が閉口していた。

 

その父親に、「音楽をどう思う」と聞いたことがある。

すると彼は即答で、「世の中で一番大事なモノだ」と答えた。

「考えてもみろ、どんな芝居も音楽なしではありえないし、悲しさも楽しさも、緊張感ものんびりした雰囲気も、全部音楽で表現できるだろう。」

 

まさか音痴の父親が、そんな哲学じみた音楽観を披露するとは思っていなかったので、大変驚いた記憶がある。

 

生れつきの音痴はいないとも聞いた。

尤も父の場合、正しく表現できないだけで、正しく聞こえてはいたようだ。

だから、彼なりに音楽を楽しんでいたのだろう。

 

テレビを見ると、目と耳の両方が独占されるので他の作業はできないが、音楽は耳だけで楽しむことができる。

元来がナガラ族の僕には、元々テレビよりも音楽が向いている。

くだらないテレビ番組を見るよりも、そんなことを思い出しながらCDを聞く方が、はるかに精神的に充実した時間を送ることができる。