日本維新の会は、関東ではなじみが薄いが、関西では人気抜群の政党だ。
最近の補欠選でも、その前の府知事、大阪市長選でも、自民党以下の連合軍を破った。
元をただせば、弁護士から大阪府知事になった橋下徹が、松井一郎と共に立ち上げた地域政党だったが、ポピュリスト政治家、橋下徹のワンワード、ワンイシュー政治に関西人がたぶらかされた結果、関西地区にシッカリと根を張っている。
尤も、大阪都構想が住民投票で否決された結果、橋下徹が表面的には政界を引退し、全国区への展開には苦戦している。
途中で石原慎太郎の太陽の党や、江田憲司のみんなの党の残党と合流したが、紆余曲折を経て結局はバラバラになった。
橋下徹については、弁舌さやかで口喧嘩上手で、政治的には右寄りの印象が強いが、実は日本と韓国の対立場面では明白に韓国寄りの姿勢を示す。
また、ヘイトスピーチ規制法にも積極的だった。
反韓国デモで有名な桜井誠とのディベートでは、日頃は論理的に相手を追い込むのが得意の橋下徹だが、感情丸出しで桜井誠を罵倒するだけ。
ただただ「ヘイトスピーチは認めない」と力みかえるだけなので、桜井誠から「ヘイトスピーチの規定は」と問い返されても、全く真面に答えられない醜態を演じている。
記者会見では、テレビ局の社員や新聞記者に舌鋒鋭く批判している橋下徹だが、自分が批判されると逆上するようだ。
その橋下徹は、府知事市長のダブル選挙で維新の党が躍進すると、テレビ出演し、次の選挙で維新の会が公明党に総攻撃をかけると示唆していた。
公明党はすっかりビビりあがり、維新の会に歩み寄ったために、次の住民投票で維新の看板政策「大阪都構想」が実現する見込みとなってきた。
維新の会の顧問でしかない橋下徹だが、実際は維新の会には今以って強い影響力を有していて、公明党もそれを知っているので迅速に方針転換したこともバレバレだ。
実は、戦争発言、オンナ発言でトラブルを引き起こした丸山穂高は、一年ほど前に橋下徹と一悶着を起こしていた。
選挙敗北について維新の会首脳陣の責任を追及した丸山穂高議員に対して、既に政界を引退したはずの橋下徹が言葉汚く罵ったのだ。
結局は丸山穂高が折れて元の鞘に納まったが、この時、松井一郎は、党の議員丸山を擁護することなく、党外にいる橋下発言を黙認した。
また、足立康史議員が同志、丸山穂高を裏切って橋下徹側のコメントをしたことで、日本維新の会の事実上のオーナーは、引退後も橋下徹なのが明白になっていた。
日頃は、歯に衣着せぬ威勢の良い発言を繰り返す足立康史だが、今回の丸山穂高絶歌事件でもやはり、橋下徹や松井一郎に追随し、すっかりオトコを下げた。
特に、自民党は党是として憲法改正を掲げているので、公明党が頼りにならない現状では、日本維新の会は重要なパートナーとなるとの見方だ。
しかし橋下徹や松井一郎は、果たして心底信用できる相手なのか。
今回の事後処理で、日本維新の会、片山虎之助共同代表は、ロシア大使館に出向いて謝罪をしている。
丸山穂高の発言が常識外なのは、まるで異論がない。
しかし、謝罪が致命傷の国際社会で、たかが所属の一国会議員の発言を、党の代表者が相手国に謝罪するなんて、外交センスは皆無だ。
海外にも、人種差別発言や舌禍事件を引き起こす国会議員は存在した。
言いたい、やりたい放題の言動で、物議を醸し出す議員連中も多い。
しかしその議員の所属する組織のトップが、都度その発言を謝罪するなんて、寡聞にして聞かない。
僕は関西人ではないので、日本維新の会が何故あれほど関西で人気があるのかは理解できない。
しかし関西人には悪いが、この日本維新の会は、単なる橋下徹の私党でしかなく、とても国政を委ねるほどの存在ではない。
その橋下徹は、一見すると保守派を装っているが、実は根っこの部分は韓国寄りであり、また人権派弁護士連中の主張とも大差のない思想の持ち主だ。
韓国最高裁が日本企業に対して、誰もが日韓基本条約で解決済みと認識している徴用工賠償金支払い命令を出した時、日本の世論は大反発したが、橋下徹は「個人の賠償要求は残っている」と、韓国側の主張に理解を示していた。
丸山穂高騒動は、ロシアからの北方領土奪還にはまるで役に立たない。
それどころか、ロシアに借りができたことで、むしろ足を引っ張ってしまった。
しかし、丸山発言を唯一評価するとすれば、それが日本維新の会の実態を暴いてしまったことだ。
日本維新の会は信頼できない。