昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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挫折や苦労も、考え方次第で人生の財産になる

日経新聞最裏面の、「私の履歴書」を愛読する会社員は多い。

そこでは、功成り名を遂げた有名人が、そこに至るまでの苦労話を披歴している。

 

大半のストーリーは、「私は運が良かった」とか、「周囲に助けられた」とか、一見謙虚さを装っている。

「自分の実力が成功の原因」のような、傲慢さは絶対に描かれない。

しかし基本的には成功者の自慢話であり、一か月に亘って延々とそれを続ける神経の持ち主が謙虚なはずがない。

 

会社員にとっては、世の中でごく少数しかいない成功者の、しかも本来なら鼻白むような自慢話を有難がり、憧れ、少しでも自分の参考にしたいと思うよりも、自分の周囲にいる苦労や挫折した人から学ぶ点を見出す方が余程実践的で効果も大きいのではないだろうか。

トルストイの名言「全ての幸福な家庭は互いに似ているが、不幸な家庭はそれぞれのやり方で不幸」のように、成功者の成功談はほとんどが一緒だが、苦労や挫折した人の経験は、それぞれに参考になるからだ。

 

我々自身も成功よりも失敗の確率の方が高い。

だから、困った状況を打開しようと必死に取組んでも、残念ながら志半ばで終わるとか、中途で大きな挫折を味わった人から学ぶべき点の方が、たくさんある。

仕事の結果は努力に比例すると思うのは幻想で、実際は諸情勢に恵まれず本懐を遂げられなかった人たちの方が圧倒的多数だ。

しかし、成功者に比べ、そのような人たちが発言し、教えてくれる場所は少ない。

 

だから常日頃、失敗談にも注意深く関心を持ち、自分の生き方や仕事のやり方の参考にする姿勢が大事だ。

 

会社員として、自分への評価が意に添わぬ結果になり、憤懣やるかたないことは、残念ながらしょっちゅう発生する。

だが、例えそうなっても、その挫折感を乗り越え、その経験を無駄にしないように努力しなければならない。

 

実は、企業においては、様々な場面で、様々に挫折感を抱きながら会社員生活を送っている人が多い。

そのような境遇の人に、共に寄り添い、親身になってアドバイスができるのは、実は自らも挫折した人だ。

 

健康な人は病気に悩む人の辛さが分からないので、「この程度で会社を休むとは」と暴論を吐いたりするが、自分も病弱な人は、辛さを理解し、心から優しく対応できるので、人として信頼される。

順風満帆な会社員が、失意の同僚や後輩を慰めるのは嫌味に聞こえるが、自らも不遇を囲った人なら、その時のむなしさを肌身で感じているので、心からの同情とアドバイスを送ることが出来る。

 

そこで得られる信頼は、会社員としてのランクや評価を遥かに上回るモノであり、豊かな人生観につながる。

挫折や苦労は、好んで求めるものではなく、経験しないに越したことはないが、やむを得ずそのような事態に陥った場合でも、考え方次第で視野が広がり、人間としても成長できる。

 

挫折や苦労もまた人生の財産と、前向きにとらえることだ。