今回の°旅行の最大目標の一つが、ウィーン歌劇場でのオペラ鑑賞。
演目は「マノン」で、主役のテノールは、今のオペラ界最高の歌い手、ファン・ディエゴ・フローレス。
日本でチケットを手配したが、キャンセル待ちでやっと入手できたものだ。
その割には、席は右側一階9列目なので、オペラを間近で見ることができる。
実際に、指揮者の表情や、指揮棒に合わせて歌手と楽器が奏でるハーモニーを実感できて、充分に満足した。
しかもスタッツオパー座席の通訳は、日本語バージョンまであり、物語の細かいニュアンスを理解できる。
惜しむらくは、日本語訳を度々見るために、肝心の歌手の歌に集中できないことだが、それは贅沢な悩みだ。
しかし今では日本人のファンも増え、劇場も日本人を上客、お得意さん扱いをしてくれているのがうれしい。
フローレスの歌唱力は、やはりすごい。
今回のソプラノの方の主役は、ニノ・マチャイゼ。
姿かたちは小太りのオバさんスタイルだが、こちらも歌は「ブラボー!」で素晴しい。
まるで余談ながら、僕はこの人の名前を「俺の屍をマチャイデ行け!」と覚えている。
他にも、日本で見たオペレッタ「こうもり」の主役だったエイドリアン・エレートが、従兄役で脇を固める。
各歌手とも見事な出来栄えで大いに満足し、演目の終了は午後10時15分。
そこからカーテンコールが繰り返されるので、実際に劇場を後にしたのは10時半頃。
ホテルまでは歩いて1分なので、帰還してすぐに爆睡した。
午後11時に寝ても、翌朝は午前3時半に起床。
テレビは、チャンネルの数こそふんだんに多いが、日本語放送はない。
アラブ系やロシアの放送局は10局近くあるし、中国、韓国、タイ、ベトナムまであるのに、NHKは職務怠慢だ。
せめてスポーツでもやっていれば退屈しのぎになるが、ドイツ語放送だし、しかも韓国がエクアドルに勝ったサッカーで、全くつまらない。
ホテルの朝食は7時からなので、それまでの間は、やむなくインターネットを楽しむ。
尤も、パソコンかスマホさえあれば、世界中のどこからでも、日本の最新トピックスを知ることができるので、日本の近況に浦島太郎化することはない。
便利な世の中になったものだ。