前日のブレナム宮殿ツアーで、今回予定していた観光地訪問は全部完了した。
最終日は、全く予定がない。
一か月近い旅だったので、翌日の帰国に備えてホテルで英気を養う。
この日は、今回の旅行中、初めて雨が降った。
しかも気温が15度と、スペイン時代の40度の中を観光してきた身には、寒いとすら感じられる。
こんな日は、ジッとホテルにとどまり、一切動かないのが慣れた旅人の所作だ。
と言っても、妻が昼食を用意してくれる我が家とは違って、ここはホテル。
昼食は食べに行かないといけない。
そこで、最後の昼食は日本食、最後の夕食はタイ料理、その間は大英博物館見学と決め、昼前からゴソゴソと外出してみた。
ところがSOHOの「KOYAうどん」の店が分からない、
スマホを片手に、あっちをウロウロ、こっちをウロウロ。
看板が出ていない所為で、直前まで来ているのに、店の前を何度も往復してしまった。
そんな無意味な努力を一時間以上重ねた結果、やっと見つけたが、既に長い列ができている。
窓越しに中を見ると、食べ終わった客たちが、ペチャクチャ話しているために、恐ろしいほど客の回転率が悪い。
普通の感覚なら、並んで待っている客がいれば、食事が終わればそそくさと席を離れるはずだが、ここ、イギリスでは全く気が付かないのか、無視している。
オンナばかりでなく、オトコどもも長話に興じる。
そんな常識なし連中を見ると腹が立つが、イギリスではこれが常識なのだろうか。
この店は、2013年にロンドンに来た時も訪れていた。
その時は、麺が固いだけとの印象で辛口評価だったが、今回はかけうどんを注文して大層満足した。
何せ、出汁からして本格的だ。
これなら、ロンドンで一番人気なのも分かるが、やはりうどん店は、値段が安い分を回転率でカバーするようなシステムが欲しい。
あまりに歩きすぎ、待ちすぎたため、妻がすっかり疲れてしまい、大英博物館見学は中止となった。
英国が世界に誇る大英博物館の展示物と、7.5ポンドのうどんを天秤にかけたら、うどんが重かったことになった。
この後ホテルで休養した後は、まさしく最後の晩餐は、色々と迷ったが、ロンドン到着後最初に出かけたタイ料理「THAI TASTE」へ。
日曜日のためかかなり込んでいて、食事が出てくるまで時間がかかったが、こちらは時間はたっぷりの暇人なので、別段腹は立たない。
しかも最初の時よりも、トムヤムクンスープが美味かったので、大いに満足。
ホテルに戻った後、翌日出発のためのパッキングを完了して、もはややるべきことなし。
そう思ってゆっくりと風呂に入ったが、上りしなにバスタブで滑って、後頭部を打ち付けてしまった。
幸い風呂がFRP製で柔らかったために事なきを得たが、下手をすれば帰国直前で救急車の世話になったのかもしれない。
海外旅行は、やはり最後まで気が抜けない。