平和経済なる言葉は、日本では全く馴染みがないが、文在寅は韓国大統領就任後に何度か使っていたらしい。
反日活動で政権浮揚を図る文在寅の、もう一つの目玉政策が、南北朝鮮の経済協力だ。
その前のめり振りは、何度もアメリカから懸念されていたが、文在寅は北朝鮮との融和協力姿勢を改めない。
何が何でも、誰がどう言おうと、国連で制裁決議が出ていても、北朝鮮への経済支援を模索している。
韓国人、朝鮮人にとって、南北朝鮮の統一は民族の悲願のようだから、その夢の実現を目指したいのなら「どうぞご自由に」だ。
日本の韓国ホワイト国除外への対抗策として、南北朝鮮の経済協力、即ち平和経済の実現で日本を凌駕するとの方針も、現実性はともかく、夢としてはありうるだろう。
しかし肝心の相方、北朝鮮の対応はつれない。
文在寅の北朝鮮へのラブコールを無視するかの如く、何度もミサイル実験を繰り返す。
また米韓軍事訓練には、強い調子の警告を発するなど、今のところ、文在寅の一方的片思いの様相だ。
金正恩にすれば、文在寅の口車に乗せられ、わざわざシンガポールまで出向いた米朝首脳会談で、成果ゼロの帰国を余儀なくされたのがよっぽど腹に据えかねたのだろう。
客観的にはこんな状況なのに、文在寅は北朝鮮との平和経済実現に、どのような具体的方策を考えているのだろうか?
金正恩ともう一度、兄弟分の契りを結んで経済協力を実現し、その結果、統一朝鮮で日本経済を凌駕できる道筋が描けているのだろうか?
それは、強い精神力があればいかなる困難も乗り越えられる妄信し、打倒鬼畜米英に突き進んだ第二次世界大戦前の日本の、やせ我慢竹槍精神に似ている。
何よりも不思議なのは、文在寅は金正恩や金王朝の存在をどう考えているのかが分からないことだ。
実は金正恩が、アメリカトランプ大統領との首脳会談に臨んだのは、文在寅が縁の下で必死に画策したからではない。
アメリカの北朝鮮に対する強硬姿勢に危機感を持った金正恩が、金王朝の安泰と政権存続を願ったために、文在寅を利用して実現したものだ。
そしてその北朝鮮の後ろ盾は、韓国の文在寅ではなく中国の習近平なのも、米朝首脳会談前に金正恩が中国を訪問していることから容易に想像できる。
文在寅は、平和経済のためには肝心要の相方、金正恩からまるで信用も信頼も、相手にさえされていないのだ。
そんな北朝鮮と、平和経済が実現したとして、その後の統一朝鮮の統治形態はどうなるのだろう?
金正恩にとっては、自分の体制保証が一番大事なのだから、当然ながら国家のトップの地位は譲らない。
また共産主義国家の特徴で、トップが変われば、前任者は処刑される。
それを防ぐためには、反対勢力の根絶やしがマストであり、実際に北朝鮮には、国中に秘密警察網や密告制度を張り巡らせていると言われる。
金正恩は、反対派へは情け容赦ない粛清を重ねてきたし、実兄の暗殺まで実行した。
韓国民は、いくら民族統一の大義名分があっても、そんな強権的な北朝鮮の独裁体制に唯々諾々と従うのだろうか?
大統領就任時に、「外交の天才」と持ち上げられた文在寅の政治家としての資質に、「ほんのちょっと」だが不安感がある。
余計なお世話ながら、文在寅の北朝鮮との平和経済、経済協力方針は、あまりにも幼稚で現実離れした妄想にしか見えないからだ。
韓国は日本だけでなく、アメリカ、中国、ロシアのいずれからも、相手にされず、袋小路に迷い込んで立ち往生しているとしか見えない。
そんな中で、日本国内の韓国贔屓派評論家の一部が、「韓国をホワイト国に戻せば、全部うまくいく」などと言い出した。
「日本の毅然とした態度で韓国も弱っているが、日本にもスポーツ、文化交流などで悪影響が出ているので、ここらで譲歩して」とか、「ここまで韓国を追い込んだのは日本の大成功だが、次の段階は飴をしゃぶらせて双方のメンツを立て、実利を求める方が得策」との意見だ。
こんなのは、表面的には日本がとった政策への批判を押し隠しているが、実際は困っている韓国の救済目的なのは間違いない。
しかし、もしもそんなことで腰砕けになったら、今度は日本で安倍政権を支持する勢力が、一発で離反する。
それを防ぐためにも、「もっとしっかり、日本が震え上がるような、腰の据わった反日政策を打ち出せ!」と、文在寅に対してそう呼びかけたい!
何せ僕は韓国が大嫌いで、このまま日韓関係が悪化して、国家間の付き合いが消えていくことを望んでいるオトコだ。
ここまでこじれた日韓関係に、もはや引き分け解決や円満な結末などないし、二度と再び、日本が韓国を支援することもない。