地位のある人や、影響力が強い人が、他人の顔をあれこれ言うと大問題になる。
しかし、僕のように全く無名で、且つ何の影響力も有しない人間は、好き勝手なことを言っても、誰からも咎められることはない。
そんな特典をフルに利用して、しかも自分のことは見事に棚上げして、他人の面相についてコメントする。
「人を顔で判断してはいけない」との正論をよく聞く。
しかし実は、人間は人の外観で中身を判断しているケースが圧倒的に多い。
その証拠に、テレビドラマで正義の主役は全てハンサムだし、悪役は悉く悪相だ。
いい人しか出てこない、NHKの朝ドラの主役クラスは、揃いも揃って全員が二枚目と美女。
40歳を過ぎれば、オトコは自分の顔に責任を持てと言われる。
それまでの人生経験が、人相に現れるからだ。
確かに、決してハンサムではないが、と言うより、どちらかと言えばブ男だった人でも、様々な経験をすることで、味のある顔立ちになる。
そんな人たちを多数見てきた。
具体的な例を挙げれば、相撲取りの稀勢の里などはそうだろう。
お世辞にもハンサムではないが、「地位が人を作る」典型で、横綱になり、ケガに苦しんだ彼は、引退時には素晴らしく魅力的な表情を持つオトコに変わっていた。
ちょっと経路は違うが、サッカーの三浦知良もそうだ。
若かりし頃はチャラチャラ顔の典型だったが、今や渋く魅力的な初老のオトコに変身した。
いずれも、自分の仕事に責任を持っているオトコたちだし、そんな例は僕の周りにもたくさん見かける。
作家の百田尚樹は、サヨクから見れば容貌魁偉な面構えにしか見えないだろうが、僕のような右寄り人間には、何とも愛嬌のある顔だ。
そこで写真の君だが、日本で一番偏差値の高い大学を卒業後、長らく官僚を経て国会議員となり、現在は県知事の要職に在る。
誰もが羨み、憧れるような、煌びやかな人生を歩んできた59歳のオトコだ。
自民党の若手政治家として売り出した彼だが、愛知県知事選では、その自民党と揉めながらも出馬に踏み切り、同情票も集まり圧勝した。
その後も順調に当選を重ね、現在三期目を迎えた安定知事となっている。
要は、職歴と地位が抜群なオトコのはずなのだ。
ところがその面妖は、斯くの如し。
どう贔屓目に見ても、どこかのオッチャンでしかない。
何とも情けないのだ。
そうみるのは、けっして僕だけではないはずだ。
こんな風だから、ネットではデマ情報が飛び交う。
実は彼は、愛知県に慰安婦像を設置する会の会員だったとか、彼の父親は食いつぶして来日した韓国の農民で、母親は在日朝鮮人とか。
いずれも全くのデマ情報だが、今回の彼の所業を快く思わなかった連中は、「やはりそうだったか」と、変に納得してしまっている。
更にこのオトコ、あいちトリエンナーレの最高責任者のはずが、展示物が大批判を受け、撤去された後は、威勢が良かったのは最初の頃だけ。
ドンドン立場が悪くなり、今や逃げの一手だ。
それまではトリエンナーレ関連で様々な写真をアップしていたのに、反日ポーズで芸術監督と一緒に映ったものも含めて、突如削除した。
案の定、「消したら増える」ネットの鉄則で、せっかく削除したのに、却ってドンドン拡散している。
しかも最後の最後になって、言うに事欠いて「自分は反対だったが、芸術監督に押し切られた」と、究極の責任転嫁を図っている。
情けないこと、この上ない。
このオトコは、知事になって10年近い年月が流れている。
それでいて、この表情、こんな態度を繰り返す。
この頼りなさ気なオトコが、長年に亘って県のトップを務めるとは、この県はよほど人材不足に違いない。