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N国党とれいわ新選組

両方の政党とも、前回の参議院選挙で話題になった。

選挙前は泡沫政党に近い扱いだったが、予想以上の躍進ぶりを見せ議席を獲得したことで、一気に注目度が増したものだ。

 

N国党は、NHK放送のスクランブル化が唯一の政治方針なので、その他の政治姿勢は保守なのか、革新リベラルなかは不明だ。

しかしもう一方の、れいわ新選組共産党並みにヒダリ巻きだと思われる。

実際に「消費税ゼロ(政治公約は5%)、その分を大企業に課税」は、共産党がずっと言い続けてきた政策のコピーだ。

 

選挙結果は、れいわ新選組議席、N国党1議席

れいわ新選組は、党首、山本太郎が落選議員の中では最多得票の、約百万票を集めた。

本人の落選は織込み済みで、次の衆議院選に出馬すれば当選確実らしい。

れいわ新選組は、共産党立憲民主党の票の一部も取り込んだと言われ、今や革新勢力の台風の目と見られている。

山本太郎本人が「総理大臣を目指す」と公言するほどだから、れいわ新選組の船出としては大成功なのだろう。

 

確かに、選挙結果が判明して以降のれいわ新選組は、話題を独り占めにしていた。

特に、当選した身障者二人のための国会バリアフリー化は、本来は議員個人かあるいは政党のれいわ新選組が負担するべきとの意見もあったが、山本太郎が「障碍者を守れ」みたいにアジると、途端に腰砕けとなった。

障碍者に優しく」は誰も反対できない錦の御旗なので、れいわ新選組山本太郎の勢いは、他の野党勢力よりも遥かに目立っていた。

 

ところが、好事魔多し。

飛ぶ鳥を落とす勢いだったれいわ新選組だが、思いもしない出来事で、スッカリ話題に上らなくなった。

 

その第一弾は、小泉進次郎滝川クリステルの婚約発表だ。

やたらと目立つが、政治的には何一つ実績のないボンボン二世議員と、スッカリ董が立った元アナウンサーの結婚発表が、異例の首相官邸だったという事で、小泉進次郎滝川クリステルを取材しようと、芸能記者だけでなく、政治記者まで群がった。

翌日のテレビは、NHKも含めて婚約報道一色になり、れいわ新選組の話題が吹っ飛んでしまった。

山本太郎は、よっぽど悔しかったのだろう。

「婚約発表のやり方に政治的謀略を感じる」と、被害者意識モロ出しで嘆いたらしい。

 

しかし小泉と滝川の婚約騒ぎだけなら、精々二、三日で話題性は消える。

そこからのマスコミはまた、れいわ新選組の話で持切りになったはずだ。

 

ところが山本太郎にとって、ここで第二の誤算が生じた。

何とN国党党首、立花孝志が、マスコミの視線をくぎ付けにしてしまったのだ。

立花は、MXテレビでのマツコ・デラックスの発言に噛みつき、直接抗議行動をするとか、番組スポンサーの不買運動など、派手なパフォーマンスで話題を独り占めにした。

しかも、途中で高須クリニック高須克弥院長がマツコ支援に駆け付け、直接対決をネット経由でライブ放送した。

また立花本人も、かなり刺激的な記事をユーチューブにアップし続けることで、一躍注目度抜群の時の人になった。

N国党はその後も、埼玉県知事選や地方議員選挙に候補者を立てて選挙運動を繰り返しているので、賛否は別にしても話題性は尽きない。

また立花が、マツコとMXテレビの次は、爆笑問題太田光や、アメリカでは指名手配中の問題児、菅野完に矛先を変えて議論を吹っかけているので、その賞味期間が長い。

 

立花孝志とN国党が目立っている間、もう一方の「雄」、れいわ新選組は、全くお呼びがかからなくなっている。

山本太郎にとっては、大きな計算違いだろう。

 

僕は、山本太郎については、政治家としてよりも以前に、人間として信用していない。

今回の選挙でも、彼の周囲には、実に怪し気な輩が集まっているからだ。

だからごく当たり前に、彼を将来の総理大臣候補などと思ったこともない。

僕の中での胡散臭さ度では、れいわ新選組はN国党を遥かに上回っている。

 

しかし今回の選挙戦を通じて、山本太郎は「究極のポピュリストだが、演説は上手いし、組織運営にも長けている」との評価が出ている。

むしろ、過去の民主党時代の手垢がベッタリと着いた枝野幸男玉木雄一郎よりも、政治家としては上だとの見方まである。

 

そんな、山本太郎とれいわ新選組の話題性と勢いを消してしまったとすれば、立花孝志とN国党は、勲一等に値する。

僕個人は、N国党の政治方針には反対で、NHKは存続しなければならないし、受信料は払わなければならないと考えている。

N国党の主張が多数派になることはないと思うが、同時にれいわ新選組のばらまき公約もまた、全く裏付けのない人気取りだけの政策だ。

 

今回話題になった二つの政党だが、いずれも政治の空隙に咲いた徒花でしかない。

今までの政界で、何度も新党ブームを経験したが、いずれもホンの一時期、世間を騒がしただけで、いつの間にか消え去った。

パフォーマンスだけで有権者を騙しおおせる期間は、さほど長くはない。

この二つの新党も、早期に跡形もなく消滅して欲しいものだ。