日本は、ラグビーワールドカップ対サモア戦に勝った。
しかし、僕のような「手練れの俄かラグビーファン」には、不満だらけだ。
「勝つには勝ったけどネェ」が、正直な感想だからだ。
サモア戦を前に、僕は日本に対して、
・勝つことは当たり前
・それは4トライ以上のボーナス点付き勝利
との課題を与えていた。
そうしないと、悲願の決勝トーナメント、ベスト8進出が覚束無いからだ。
強く「指示」していたので、当然、日本はこの危機感を共有していると思っていた。
5日午後7時半、僕は斎戒沐浴の後、厳かな思いでテレビを前に座った。
この時までは、日本は僕からの「指示」を、しっかり体現してくれるはずと、固く信じていたのだが,,,,,,,,,,,,
僕の願いが天に通じたのだろう、最初は日本は優勢に試合を進めた。
先制点を狙った最初のペナルティキックは、戦略としても戦術としても、これは正解。
ところがそのすぐ後の、ゴール直前の相手ペナルティで、キックでの得点を狙ったのはまるで解せない。
と言うより、全く不満だ!
「何故ここでトライを狙わない!」と、テレビに向かって大声を上げたほどだ。
この瞬間に「プロの俄かファン」の僕は、この試合のその後の苦戦を予感して、実に暗澹たる思いに駆られた。
案の定、日本の攻撃は空回りばかり。
スコア的には前半は日本が勝ってはいたものの、トライ数はノルマの4には程遠く、わずかに1個だけ。
これでは、例えこの対サモア戦に勝っても、次のスコットランド戦のハードルが、勝利マストにまで上がってしまう。
後半戦も前半と似たり寄ったりで、一時期は1トライ差にまで迫られた。
ケーブルテレビの解説者が、「負けるかもしれないと思った」ほど危うい状況だった。
最終的にロスタイムのラストプレイで、サモアがスクラムを選択したので、日本に4個目のトライチャンスが訪れ、これをモノにできたのはラッキーだったが、「プロの俄かファン」としては単純に喜ぶわけにはいかない。
サモアの武士道精神のお陰で、当初の目標が達成できただけで、危ういこと累卵の如しの勝利だったからだ。
それは全て、あの二度目のペナルティでトライを狙わなかった、弱気、もしくはいつでもトライを取れると、サモアを嘗め切っていた奢りに起因する。
これでは、一週間後のスコットランド戦は不安タップリだ。
それにしてもサモアの潔さは、いくら称賛しても、し足りるものではない。
サモアが、最後にボールを蹴りだす選択をすれば、試合は終わっていた。
サモアにすれば、例え首尾よくトライにつなげても負けは確定している。
それでも、むざむざ負けてたまるかと、はるか100m先のトライを目指して、自陣直前でのスクラムを選んだ。
スコットランドには大迷惑な決断だったが、これが結果として、日本のボーナス点につながったのだから、サモアの男気には感謝の言葉しかない。
当初は「ラグビーが弱いくせに、試合前に勇壮なハカなんかやりやがって」と、少々サモアをバカにしていた。
今はそれを、猛烈に反省している。
サモア大好き!