昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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天皇陛下について

リタイアした僕は、10月22日が祝日になっていたことを知らなかった。

息子が会社に行かないことを訝しがっていたら、この日は天皇陛下の「即位の礼正殿の儀」で、この日の国事行為を以て全世界に向けて天皇への即位を発する日だった。

慌ててNHKを見ると、国内外から2千人のゲストを迎え、儀式がにぎにぎしく執り行われたと報道し、儀式次第を解説していた。

 

僕は思想的には右寄りの人間だが、天皇陛下に対しては、右翼のような、特別に重大な想いを持っているわけではない。

正直に言えば、日頃はほとんど無関心だ。

ただ、今回即位された天皇陛下にだけは、徳仁親王時代から妙な親近感を持っている。

それは、恐らくは以下の理由からだろう。

一つは、学習院時代に陛下の二年先輩だったオトコの陛下評で、「高校時代の徳仁親王は滅茶苦茶にいいヤツだった」と聞いたからだ。

実に好人物で、絶対に人の嫌がることを言わないので、先輩たちからも可愛がられ尊敬されていたらしい。

(ついでに言えば、彼は、次男サンのことは決して褒めなかったが)

二つ目は、雅子様時代の皇后陛下へのバッシングを、ひたすら庇い続けた点だ。

娘の敬宮愛子内親王への誹謗中傷も重なり、雅子様へのバッシングはまさしく「人格を損なう」レベルだった。

当時の皇太子殿下に対して、皇位継承権返上を勧めるとんでもない学者まで登場していたが、これも内容は「雅子様がその任を果たしていない」と攻撃するものだった。

そんな時も天皇陛下は、婚約会見で「何かあれば僕が雅子さんをお守りする」との約束を墨守し、皇后陛下への愛情を隠さなかった。

三つめは、最新のヨーロッパ訪問時に同じホテルの泊まった客との気さくな会話だ。

市民から「警備が厳重なので映画スターと思った」と言われた陛下は「申し訳ないけど、僕はスターではありません」と笑顔で答えていた。

まるで飾らない人柄が溢れ、外国人にさえ好感度が上がった場面だ。

 

儀式についてネットを見ていると、ほとんどの日本人は好意的な感想だ。

この日は朝からの大雨が、即位の礼正殿の儀が始まる直前に止み、晴れてきたと言う。

更には見事な虹がかかるまでに至ると、「これは神秘だ」と感激する連中も多かった。

有本香に言わせると、この瞬間、百田尚樹は涙ぐんでいたらしい。

一方の反対派は、このおめでたい日に「天皇制反対」のデモまで行っている。

またネットでは訳知り顔で、「今回の儀式は明治天皇の時とはまるで違う」とか、「明治以降のでっち上げ儀式」とかケチをつけている。

また急に雨がやんだり、虹がかかったことも、「単なる自然現象」と、にべもない。

この部分は、両者がいくら話し合っても、絶対に分かり合うことはない。

天皇陛下を好きか嫌いかは、肌感覚の世界だからだ。

 

ただ僕は、2600年に亘って営々と続く日本の皇室は、世界的にもあり得ないほどの稀有な歴史だと思う。

中国や韓国にも、「天子」を名乗る輩が出現するが、そんな連中が国を掌握できるのは、長くて数百年までだ。

後は、次の征服者に全てを否定され、墓を荒らされる。

そんな国々から見れば、万世一系の日本の皇室は、まさしく奇跡的な存在だろう。

 

僕は自称「敬虔な無宗教徒」であり、神様の存在など信じてはいない。

しかしそんな僕は、至る所でゲンを担ぐ。

「この服装でうまくいったから、次も同じものを」や「この方向は縁起が悪い」などは、生来の無神論者にはありえない行動や考えだ。

しかし、日本人の天皇陛下への想いは、こんな感情に近いのではないだろうか。

別に天皇陛下が平和を祈れば、世界中が平和になるなんて、誰も思わない。

しかし、無私の心でそんなことを祈ってくれる天皇陛下を、悪く言うなんてとんでもないと思うはずだ。

 

もはや、現人神としての天皇は存在しない。

日本人のほとんどは、人間天皇を受け入れている。

その上で、天皇陛下と日本人の間にある、この何とも表現ができない心の通い合いこそが、日本の皇室を永遠の存在にしていると思う。

改めて、「天皇陛下、万歳!」だ