ストレッチしようとしたら、ゴルフクラブハウス風呂場にタオルがなかったことで、女子ゴルファー、笠りつ子が大激怒。
ゴルフ場のスタッフに、「死ね」と暴言を吐いたことが明らかになった。
31歳にもなって、このザマだ。
この笠りつ子は、高校生時代に坂田信弘ジュニアゴルフ塾に所属していた。
古閑美保、上田桃子などの女子ゴルファーを輩出した、熊本の名門ゴルフ塾だが、そのユニークな教育法も話題だった。
この塾は、「熊本から、世界に通用するゴルファーを育成しよう」と始められたボランティア塾で、躾とマナーを一-番大事にしていたはずだ。
そこでは、わずかに一年違いでも、先輩に対しては、敬語を使うことが義務付けられていたとも言う。
一番多感な年ごろに、このような教育を受け、しかもその後に、ゴルファーとして成功したのなら、人品骨柄も鍛えられたと思ってしまう。
実際に笠りつ子は、出身地の熊本県が大地震に見舞われた時、被災者救済のボランティア活動に参加していた。
その時は、子供たちを励ます「心優しい」一面を見せ、好感度が上がっていた。
しかし一皮めくった実際の笠りつ子は、弱い立場の人に対して、こんな暴言を吐く性格の、嫌なオンナだったことがバレた。
「裏切られた」との意見も多数あるが、そもそもプロスポーツの選手に完璧な人柄を求めても仕方がない。
テレビに映っていない場面や、自分よりも弱い立場の人への態度にこそ、本当の人柄が出るものだ。
ましてやゴルフは審判がいないスポーツで、全て自己申告と自己責任に任されている。
他人の目のないところでインチキしても、自分の良心以外に傷つくものはない。
そもそも、なぜクラブハウスの風呂からタオルが撤去されたかと言えば、それまでに盗難事件が相次いだからだ。
ゴルフは紳士のスポーツなんて言われていたが、それはアマチュアの金持ちだけがゴルファーだった時代のおとぎ話でしかない。
はっきり言えば、ゴルフが大衆化した今のゴルファーたちの中には、こんなレベルが多数いるのだ。
そうは言っても、プロゴルファーと言えば、衆人の注目を集める立場だ。
また女子トーナメントは、今までにないほどの盛り上がりを見せている。
昔の女子プロゴルファーは、コースでの喫煙も当たり前で、ガニ股のノッシノッシと歩く様は、ビジュアル的にも魅力がなかったが、今ではスポンサーへの挨拶は欠かさないし、プロアマ戦での対応も格段に改善されてきた。
コンプライアンス教育などが頻繁に実施されているので、「どこの馬の骨か?」みたいな輩は、確かに減ってはいる。
しかし何と言っても、カネを稼ぐためには、腕一本、技術だけが頼りの世界だ。
綺麗ごとや優しさでは、飯が食えない現実があり、プロゴルファーたちは、ストレスを抱えながらツアー競技を続けているに違いない。
そうとでも思わなければ、笠りつ子の取った、愚かな行為が説明できないのだ。
笠りつ子は、謝罪文を発表し、当分の間、ツアーを自粛した。
しかし今更どんなに謝っても、やった行為も、ゴルフ界が蒙ったイメージ低下も、取り返しは利かない。
ただ日本のスポーツ界には、「勝てば官軍」的文化が強く残っている。
これは、後にツアーに復帰した笠りつ子がトーナメントに勝つことで、今回の不祥事が不問に付されると言う、訳の分からないモノだ。
笠りつ子が汚名を雪ぐには、強くなって、勝つしかない。
その為に、心と技の両方が鍛えられれば一挙両得だが、鬼軍曹として知られた坂田信弘でさえ、笠りつ子の情操教育には失敗している。
今回バレてしまった精神的未熟さの改善には、誰がどう指導するのだろうか?
余計なお世話だが、少し気になる。
昨年は男子ゴルフで、プロゴルファー、片山晋呉がスポンサーのゲストへ暴言事件を仕出かした。
この時もそうだったが、片山と言い、笠と言い、ベテランゴルファーなので、若手の穂犯になるべきとの意見が多い。
しかし、少なくともゴルフ界では、ベテランゴルファーの方がマナーが良いはずとの常識は通じない。
長らくゴルフ界に住み着いていた人間ほど、悪習に染まっているケースがある。
それほど、ゴルフ界は如何わしかった。
むしろ、徒弟制度の中でのし上がったような連中よりも、学問とクラブ活動を両立して成長してきた若手の方が、よっぽどマシだ。
また今回の事件が公になったのは、解説者、岡本綾子の告発からだ。
やたらと選手をほめるばかりの解説者が多い中、この岡本綾子とか森口裕子のように、マナーに厳しい指摘をする先輩がいることが、ゴルフ界の数少ない救いだ。