昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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隣の爺さん退院強行!

午前8時50分、看護師が「時間ですよ」と呼びに来たので、手術室でスタンバイ。
ところが急患が入ったらしく、肝心の医者が手術室に来ない。

「このまま待ちますか?」と聞かれるが、手術室なんていたくないので、一旦仕切り直しで病室に戻る。


30分後に再度呼び出され、いよいよ手術開始。
一年前に経験しているが、手術台に前バリだけで横たわるのは、やはりカッコ良いモノではない。
身体中に消毒液を塗りまくられ、右手の麻酔注射以降は、血管に管が入った圧迫感以外は、何も感じない。
手術中は、「後遺症の脳梗塞だけは勘弁して」と祈る思いだったが、15分くらい経過したら、「ハイ終わりました」と、呆気なく手術終了が宣告された。

その後は、妻と一緒に執刀医から手術結果を聞く。
「前回手術から一年間の経過は大変良好で、今後は投薬治療」と、結果は思っていた以上に目出度目出度だった。
 
小一時間後に病室に戻ると、隣の爺さんが看護師と揉めている。
妻によると、爺さんは僕の手術中、ずっと大声で「退院する」と頑張っていたらしい。
昨日は一旦了解したものの、一晩寝たら気が変わったようだ。
「俺は絶対退院する」と、すっかり着替えも済ませて力み返っている。
病院側は、「インスリン増量の効果を確認しないと」と説明するが、爺さんは「最初の約束は、一週間の入院だったのに、こんなに長引いた」とブー垂れて一歩も引かない。
病院での注射の練習でも、何度も失敗しているらしく、あの手この手で説得するが、これも大丈夫だと言い張る。
最後は根負けした病院側が、「では自己責任の誓約書を」と要求するが、「俺は学校に行ってないから、そんなモノ書けない」と頑張る。
最終的には、病院の書類に署名することで決着し、アッと言う間に退院していった。
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家族のお迎えなし、長い入院だった割には小さな手荷物、裸足で退院を強行する爺さんに、幸多かれの気持ちで見送る。


僕の方は、手術が上手くいったので、明日の退院までは、やることが何もない。
こんなに暇だと、我儘ばかり言って病院を困らせていた爺さんが強行退院したのが惜しくなる。
隣にいる間は、お騒がせ爺さんだったが、居なくなると、寂しくなってしまう。