文在寅政権が突然、「GSOMIA破棄の延長」とのややこしい発表をして以降、日韓両国では水面下で、様々な駆け引きが繰り広げられているようだ。
しかしその基本は、韓国側が韓国民相手についた言い訳と嘘の発表を、腹に据えかねた日本が訂正するパターンばかりだ。
韓国内で、あれほど強硬に反日を煽り、「輸出規制もGSOMIA破棄も、韓国に正義あり」と喧伝してきた文在寅なので、ここまで引っ張ったGSOMIA破棄を突然延長することについては、釈明のしようがないはずだ。
しかしそれでは、文在寅政権が持ち堪えられない、
何としてでも韓国民に、勝利感までは無理としても、「日本とは引き分け」との、適当な言い逃れを見つけないと、文在寅の身の安全すら保障されない。
そこで経緯を、時系列でまとめると、
韓国 日本が輸出規制見直し「協議」を約束したから、GSOMIA延長を決定した
日本 「対話」することは確認されたが、「協議」の約束はしていない(経産省)
韓国 日本が嘘の発表をしたので抗議したら、日本が謝罪した
日本 (一々反論するのは非生産的だが)日本が謝罪したことはない(菅官房長官)
韓国 謝罪していないとの日本政府の発表は嘘だ(と、今はこの段階まで)
となっている。
あくまで、日本が謝罪したと言い張らない限り、立場がない韓国側の焦りと、日本側の、特に菅官房長官発言には、余裕が窺い知れるやり取りだ。
所謂、ホワイト国からの韓国を除外する措置は、三年も前から日韓両国で連続して議論されてきたものだ。
文在寅政権になって以降、軍事転用可能な戦略物資の販売先不明(韓国による横流し疑惑)が急増したことを受け、この三年間、日本は韓国に対して、「対話」とエビデンス提出を要求してきたが、韓国側は一切無視し続けていた。
そこでこの8月、日本は韓国に対して、輸出手続きを適正化するために、韓国をホワイト国から除外し、他の諸国同様の手続きを求めたものだ。
韓国とマスコミは、徴用工裁判への報復と非難しているが、日本国政府は、これが韓国ホワイト国除外の経緯と説明している。
一連の日韓トラブルで、アメリカが一度として韓国の肩を持たなかったのも、この間の韓国の不正への動かぬ証拠があるからとも見られている。
ここからは僕は知らないことだったが、今回GSOMIA延長交渉で日本と韓国が合意したのは、日本が韓国に「対話」を求めていた、この三年前の状態に戻ることらしい。
日本は韓国に、戦略物資はどこに消えたかの説明、即ち「対話」を求めていた。
その「対話」を再開することに、韓国が同意したとのことらしい。
ならばこの点でも、韓国は日本に妥協したことになる。
一方の韓国は、この「対話」ではなく、日本は「協議」することに同意したと、言葉を変えて発表している。
「対話」と「協議」では、持つ意味が全く違うらしいのだ。
そう言えば、注意して聞くと、菅義偉官房長官も経産省も、「対話」の言葉しか使用せず、絶対に「協議」とは言っていない。
韓国は、「日本が謝罪した」とか「日本が妥協した」とかを落としどころにしたいのだろうが、今回に関しては、どこをどう取り繕っても無理筋だ。
だからおとなしく、国際法に則った徴用工裁判への国家責任を果たし、且つ粛々と、輸出手続きを正常化していくしか、韓国に残された道はない。
尤も外交に関しては、成果を上げた国ほど冷静沈着な態度をとるべきと言われる。
日本にとっては、今回のGSOMIA延長も、WTO訴訟の取り下げも、韓国の全面的敗北にしか見えない。
しかし外交の専門家によると、だからこそ日本には、韓国の必死の言い訳を聞き流す余裕が必要らしい。
今までの韓国の態度を見れば、そんな「大人の対応」こそ、韓国の誤解と増長を招いてきた原因とも思う。
が、このまま韓国が国際社会から孤立し、自滅の道を辿るのなら、「金持ち喧嘩せず」精神もまた良いものかもしれない。
恐らくは戦後初めて、韓国に対して毅然とした対応を貫いた政府はGood Job!だ。