滝川クリステル嬢は、日仏ハーフの才媛だ。
2013年のIOC総会での東京オリンピック招致では、英語、フランス語でのプレゼンテーションと、「お・も・て・な・し」ポーズで大注目を浴びた。
その後もテレビで華やかに活躍し、キャリアウーマン(死語?)の憧れの的だった。
しかし彼女の履歴を見ると、必ずしも順風満帆だったと言い難い。
学生時代のミス青山コンテストで、梅津弥英子の後塵を拝し、準ミスで終わっている。
また入社試験でフジテレビに不合格になり、テレビ局としては傍系の共同テレビジョンのアナウンサーとして、キャリアを始めている。
きっと、そんな挫折をバネにしたのだろう。
その後は、持ち前の「美貌」と根性で、出向先のフジテレビ内で目立ちまくり、ついには報道番組のキャスターにまで上り詰めた。
見てくれとは違う、結構な苦労人だ。
その所為もあるに違いない。
仕事だけでなく、恋愛の相手もまた、彼女にとっては出世の道具とみていたようだ。
恋愛対象を、大物そのものを狙うのではなく、その子息に限定するのが計算高い。
大物は、年寄りで気難しい輩が多く、取扱要注意のケースが大半だ。
しかしその子息は、甘やかされて育った分、人は良いし、しかも金回りも良い。
少々オツムに物足りない部分があっても、その分御し易く、自分の我が儘も通しやすい。
ボンボン息子は、考え方によっては、ヤル気と能力がある女性には、寧ろ、うってつけでもある。
と言う訳で、クリステル嬢は大物子息に狙いを絞り、せっせと浮名を流していた。
そして彼女の最終的選択が、かの小泉純一郎のご子息、小泉進次郎クンだった。
政界のサラブレッド、自民党のプリンスの異名どころか、いずれは総理大臣間違いなしとまで評価されていた若手政治家だ。
しかも結婚発表の時には、妊娠五か月の身重。
僕には、クリステル嬢の「このタマ、絶対逃がさヘンデ!」の気合が、ビシビシ伝わってきた光景だった。
しかし世間は、美男美女、俊英政治家と才色兼備のタレントの「デキちゃった」結婚に対して、「風紀紊乱でふしだら」などと非難する声はゼロ。
むしろ祝賀ムード一色で、クリステル嬢もまた将来のファーストレディの地位を約束されたような雰囲気だった。
結婚後の進次郎クンも順風満帆で、ご祝儀のように安倍政権の環境大臣を拝命。
クリステル嬢は、アッという間に大臣夫人にまで上り詰めた。
と、ここまではクリステル嬢の計算通りに事が進んだ。
齟齬を来し始めたのは、それまで外野席で、気の利いたヤジを飛ばしていれば人気が上がった進次郎クンが、環境大臣として責任ある発言を求められるようになってからだ。
進次郎クンは、その全てで、頓珍漢発言を繰り返す。
国内でなら、質問者と噛み合わない返答をしても、マスコミが帳尻を合わせてくれる。
しかし環境大臣の進次郎クンは、国際会議でも日本の立場を説明せざるを得ない。
そこで今までの、言葉だけが走っていても内容皆無で、何をしたいのか分からない発言をすると、途端に厳しい質問の嵐になり、進次郎クンの無内容さが無残に暴露される。
進次郎クンは今や、大臣に就任するまでの輝きはどこにも見られない。
公式な場での説明を怖れる、単なる出来ワル二世議員でしかない。
クリステル嬢は、40歳まで独身を貫いた。
比較的に晩婚の女性に共通の特徴は、歳を重ねるに従い、段々オトコを見る目が肥えてくることだ。
職場には、難しい仕事も次々と片付けている、有能で魅力的なオトコたちがいる。
そんなオトコを見ていると、駆け出しの若手社員などが頼りなく見えてしまい、「この辺でイイ」との妥協が難しくなる。
そこで目標レベルを高くすると、ますます縁遠くなってしまう。
そんなクリステル嬢にとっての進次郎クンは、自分の上昇志向のユメをかなえてくれる救いの神にも見えたのだろう。
しかし現実の進次郎クンは、シャベリだけは上手いが、地アタマの悪い、単なるボンクラだった。
僕も高校までは、生徒会役員に立候補してやたらと気の利いたことを喋るが、実はアタマが悪い同級生をたくさん見ていた。
進次郎クンは、そんな高校の生徒会レベルの政治家なのだ。
計算高かったクリステル嬢だが、事ここに至ると、自分の計算が狂っていたことを後悔しているのではないだろうか。
下種の勘繰りだが、喋るほどに馬脚を現す進次郎クンを見ると、そう思えてならない。