12月17日
いつもは早起きだが、この日は現地時間の午前7時まで熟睡。
起き出して、さっそくホテルの朝食へ。
周りの客はほとんどが日本人で、やはり評判通り、中国人の姿は見えない。
その分、抑制が効いて静かな雰囲気だ。
日系ホテルなので、日本人好みの料理が並んでいる。
いつもはサラダと納豆だけの朝食なのに、バイキング形式だとどうしても食べ過ぎる。
この日も、麺料理、ハム&ソーセージ、生野菜サラダに加え、純然たる日本式朝食の、ごはん、海苔、味噌汁、納豆、お新香に子持ちシシャモまで食べた。
明らかに食べ過ぎたので、しばしホテルの部屋で休息。
妻が突然、「しまった、ミスした」と言い出した。
聞けば、今回の台湾旅行の最大の目的、故宮博物院見物には、一週間前から予約が必要らしい。
慌てる妻を横目に、僕は泰然自若。
こんな時に腹を立てると、必ず夫婦喧嘩になることを何度も経験してきたからだ。
旅行中は、二人しかいないので、喧嘩するとシラケるし、問題解決にもならない。
間違っても「何のために台湾まで来たんだよォ」などの罵倒は、絶対にしない。
仏像のような静かな笑みを絶やさず、ホテルのコンシェルジュに相談に赴くと、「予約なしでも大丈夫です」と、拍子抜けする返事で一安心。
しかしピンチにも拘らず、大人の対応に終始した僕の評価は鰻上り(のはずだ)。
この日の最初は、翌日の台中行き新幹線チケット入手。
ホテルからメトロ地下街を15分間、台北駅まで歩く。
その後、故宮博物院まではタクシー利用。
13年前の故宮博物院は、ちょうど工事中で、三分の一しか見ることができなかったが、この日は全館オープン。
入場料一人350元を支払い、入口へ。
ところがペットボトルのミネラルウォーターが持込み禁止で、一時預り所へUターン。
やっと念願の、故宮博物院ツアーとなった。
この日は、いつも大声で騒ぐ中国人がほとんどいないため、館内は閑散としている。
その分、ゆっくりと、しかも静かに、中国古来の貴重な宝物見学を満喫できた。
有名な「翠玉白菜」の部屋も、数人の客しかいない。
お陰で、四方から矯めつ眇めつ、眺めることができた。
唯一の誤算は、もう一つの有名玉、「肉形石」が出張中で展示されてなかったことだ。
それにしても、この故宮博物院の展示品の素晴らしさ!
故蒋介石が中国を脱出した時、運べる宝物は全て台湾へ持ち込んだらしい。
お陰で、中国本土に残っているものは、架体がでかいだけのガラクタとまで言われる。
三時間ほどかけて、その言葉がウソと聞こえないほどの展示品を見て回った。
この日の台北の気温は27℃。
冬で10℃以下の日本に比べ、長袖では暑さを感じる。
ホテルに戻って一休みした後、夕食は台北でも有名な小籠包の店、京鼎楼へ。
客の多くが日本人でにぎわっていたが、小籠包二種類、炒飯、空心菜をオーダー。
些か多すぎかと思ったが、味が絶品だったので、夫婦で完食した。
特に、名物の烏龍茶小籠包は美味かった。