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山口敬之対伊藤詩織のバトル延長戦へ

最近の裁判で妙な判決が続出して、日本の裁判制度そのものへの疑問が噴出している。

鳴り物入りで取り入れた裁判員制度で厳しい死刑判決が下されても、次の高裁であっさり撤回される。

国民感情としては全く納得できないが、元々裁判官なんて、司法試験を合格しただけの人間なので、社会常識があり人品骨柄に優れているわけではない。

昔の大岡越前のような人情味あふれた裁判官なんて、文字通りドラマの中でしかない。

 

それなのに、地裁判決一つで世論が一変した。

伊藤詩織勝訴の報にサヨク界隈は大喜びだが、その燥ぎぶりは些か常軌を逸している。

中でも、被告山口敬之のTBSの先輩で、しかも同じワシントン支局長だった金平茂紀は、いずれ自分の番組「報道特集」でこの問題を取り上げると発表した。

しかしこの問題は、山口敬之がTBS社員だった時に発生している。

しかも、当時TBS現役社員だった山口敬之は、就職の斡旋依頼に来た女性と酒を痛飲した挙句にホテルに連れ込み、その後彼女と性交したことを認めている。

普通に考えれば、企業としてのTBSにとっては、社員管理の大問題なのだ。

その後、山口敬之がTBSを退社したから無関係と言う訳にはいかない。

 

金平茂紀はこの事件が明らかになった二年前から、山口敬之には「怒りを感じていた」らしいが、もしうもそうなら金平が最初に取り組むべきなのは、不祥事を連発してやまないTBSの体質改善への提案だった。

またTBSも、「元社員の在職中の事案であり、誠に遺憾です」との、通り一遍のコメントだけでなく、オウム事件以降も改善されていない報道機関としての体質への責任の取り方を明らかにするべきだ。

この問題は、安倍政権の介入などの政治ネタではなく、TBS社員だったオトコと就職依頼に来たオンナの密室の性行為が、合意の上か否かの痴話喧嘩でしかないからだ。

 

因みにこの問題は、敗訴した山口敬之が控訴を表明したので、まだ最終決着ではない。

いずれが勝っても負けても、恐らく最高裁まで争いが続くだろう。

サヨク陣営が、地裁判決を以て「勝った、勝った」と大喜びするのは早すぎるのだ。

 

山口側陣営は、やや腰砕けの感がある。

伊藤詩織に批判的だった杉田水脈議員は、「私の言葉足らず」と坊主懺悔した。

自他ともに認める右派論客の代表、百田尚樹は、

・この問題への自分の立場は、関ヶ原の戦いを弁当を食べながら見ていた百姓と同じ

・ただドアマンの証言が裁判で採用されたら、山口氏は不利

・山口氏が避妊をせず伊藤氏がアフターピル処方をしたことが山口氏敗訴に影響した

・どちらかと言えば、山口氏の行動の方に軽率さを感じる

・実際の真実は神のみぞ知る

と、あくまで野次馬だったと表明している。

しかし山口敬之敗訴を受けての野次馬は、結果としては山口敬之への批判になる。

 

また、百田尚樹は筆が滑ったのだろう。

「裁判の判決は必ずしも真実を明らかにするものではないが、私たちはそれを一つの目安にするしかない」ともツイートしている。

ならば百田尚樹は、自分が最高裁まで裁判で争い、その全てで敗訴した「殉愛」裁判の判決を、「一つの目安として受け止めた」とでも言うのだろうか。

百田尚樹は、その後の出版本でも「殉愛の内容は全て真実」と書いている。

それはまるで矛盾していて、ノンフィクション作家と称した百田尚樹が、適当に二重規範で発言していることを暴露してしまった。

 

また、山口敬之の応援発言をしてきた足立康史や上念司は、サッサと戦線離脱した。

伊藤詩織を徹底的に非難した小川榮太郎は、未だコメントを発していない。

山口敬之擁護の小川榮太郎の主張を掲載した、月刊HANADA編集長の花田紀凱は「結論ありきの判決」と批判しているが、この時点では負け犬の遠吠えに聞こえる。

小川榮太郎花田紀凱は、判決前は必死に山口敬之無罪論を世論に訴えていたのだから、判決に対しての正式で真摯な見解を早々に発表するべきだ。

いずれにしても、今まで山口敬之側の発言をしてきたのに、ここで沈黙するのは、実質的な敗北と同義語だ。

総じて、サヨクは騒ぎ過ぎだし、山口側は沈黙が過ぎる。

 

山口敬之は、この問題で最終的に裁判でどのような判決が確定しても、道義的責任からは逃れられない。

就職相談に来た弱い立場の女性と、酒を飲み、ホテルの自室に連れ込み、性交にまで及べば、もはや同情の余地はない。

仮にそれがハニートラップであっても、会社員として、社会人として、踏み越えてはいけない一線だからだ。

 

山口敬之の行動は大問題だが、伊藤詩織もまた、男性と二人きりの酒の場で、我を失うまで痛飲した軽率さも褒められたものではない。

いずれにしても、決着は民事裁判の最終結果を待つしかない。

地裁判決結果にサヨクも浮かれ過ぎず、山口敬之支援派も粛々と、次の高裁裁判に備えればよい話だ。