年末の大ニュースとなったが、木箱に隠れて出国管理を通過したらしい。
スパイ映画まがいの脱走劇だが、一世を風靡した経営者が身一つで逃亡を図るとは、見苦しく情けないこと、この上ない。
盗っ人猛々しいのだが、ゴーンに言わせると、日本の司法制度は「有罪が前提で差別が蔓延し、基本的な人権を否定している」らしい。
よく言うよ!
一体、どの口が言うのか!
木箱に入り、人目を憚りながらコソコソと逃げ出したカルロス・ゴーンにだけは、言われたくないモノだ。
そもそも今回問われている事件は、小悪党が仕出かした破廉恥罪だ。
公私混同の乱脈さ、カネに拘る意地汚さは、聞けば聞くほど嫌悪感が募る。
一時的にせよ、こんなダーティーなカルロス・ゴーンを、名経営者と称えた日本の社会風潮が恥ずかしい。
僕にとってのカルロス・ゴーンは、ソフトバンクの孫正義とイメージが被る。
孫正義は、当時の民主党内からですら退陣要求が出ていた菅直人を、自社の太陽光発電に役に立つからとの理由で「30年総理を続けて」とゴマすった。
案の定、その後の太陽光発電は、景気を足を引っ張り続けたが、ソフトバンクは初期の段階でボロ儲けをしている。
日本経済がどうなろうと、自社が儲かれば構わない孫正義と、個人の利益最優先だったカルロス・ゴーンは、文字通り同じ穴の狢だ。
今回のゴーン脱出に関しては、レバノン政府の関与すら噂されている。
レバノン国籍を持つカルロス・ゴーンは、レバノン政府とどんな司法取引をしたのかが気になるところだ。
もう一人、世界中に日本の司法制度を辱めた責任を痛感するべきヤツがいる。
弁護士の弘中惇一郎だ。
この弘中は、無罪請負人とか言われ調子に乗っていたようで、あれこれ屁理屈を並べ立て、カルロス・ゴーンの保釈を成立させた。
その挙句が、このザマだ。
当事者は「寝耳に水」などと、とぼけたコメントを出しているが、本来はカルロス・ゴーンを保釈させた弁護士としての管理責任があるはずだ。
「海外への渡航禁止」は、弘中が裁判所と折衝した結果の保釈条件だ。
それをミスミス逃亡されただけでなく、全くそんな兆候すら知らなかったでは、弁護士としては大問題だ。
更に、カルロス・ゴーンからは、日本の司法制度もボロクソに貶されている。
自らの大失態で、日本の司法の信用が失墜したのだから、名誉回復のためにレバノンに乗り込んで、カルロス・ゴーンを連れ戻して欲しいものだ。
いずれにしても、こんな犯罪者予備軍そのもののオトコが、日産自動車を私物化し、蹂躙していたのは事実だ。
日産自動車は、そんなカルロス・ゴーンを排斥することでの再出発を選択した。
しかしその直後に、後継経営者の西川廣人の不正経理処理が問題になり、社長を辞任する醜態を演じている。
どう見ても、カルロス・ゴーン時代の負の遺産が、日産自動車組織の隅々にまで染みわたっているに違いない。
僕は、小なりと言えども、日産自動車株主の一人だ。
そしてその損失金額は、カルロス・ゴーンや日産自動車の経営者の不始末の所為で、小市民としてはそれなりのダメージになっている。
その分、カルロス・ゴーンや日産自動車経営者に対して、腹立たしい思いをしている。
まだカルロス・ゴーンが、裁判で正々堂々と自分の主張を繰り広げれば、少しは救いになったかもしれないが、カルロス・ゴーンはサッサとレバノンに逃亡した。
日本の裁判では、到底無罪判決は無理と判断したに違いなく、恥も外聞もなく日本から脱走したのでは話にならない。
であれば、何とか経済制裁などをちらつかせる外交努力で、レバノンからカルロス・ゴーンを取り戻し、裁判でシロクロつけて欲しい。
そうでもしないと、あんな小悪党が、レバノンでのうのうと余生を過ごすことになる。
それは、腹が立って仕方がない。