昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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企業城下町、学校城下町

企業が支払う、固定資産税で潤っている町は多い。

愛知県豊田市茨城県日立市企業城下町そのもので、名前まで変わってしまった。

僕が所属した会社も、某田舎県の某村に工場があったが、ここは「日本一裕福な村」として有名だった。

我が社と隣の会社の工場があるお陰で、村民の義務教育費や医療費はタダ。

我が社社員は飲み屋でも特別待遇で、いつでもどこでも〇〇社員と名乗るだけで、ツケで酒が飲めるほど信用があった。

 

仮にそんな企業が町から撤退でもしたら、税収入だけでなく雇用面でも大問題になる。

だから企業城下町では、必死になって企業を引き留めようと努力する。

以前にも書いたが、「大企業だから余裕があるはずなので、法人税を課税しよう」などは空理空論でしかない。

 

現在、僕の住んでいる町には、某大学が存在している。

都内の有名大学とは違い、偏差値もかなり低い、いわゆる三流大学だ。

しかし教育の中身はプアかもしれないが、一応は大学と名乗っている以上、キャンパスは広いし、それなりに学生もいる。

全国的にはほとんど無名の大学だが、それでも地域経済への貢献は実に大きいのだ。

 

しかし実際パッとしない大学だから、ご多分に漏れず学生集めが一苦労のようだ。

大学も知名度アップのためにスポーツに力を入れたり、新たな学部を作ったり、必死の努力をしているが、何せ少子化の時代なので、近い将来の定員割れが心配されている。

そんな苦労をしている学校が、例外なく取り組むのは、海外留学生招致だ。

お陰で我が家周辺にも、訳の分からない言葉を話す学生集団が徘徊している。

留学生がお国に帰った時、我が町の大学卒の資格にどれほど権威があるのかは知らないが、学校側は中国人を中心に留学生を集めて、何とか糊口を凌いでいるようだ。 

 

多くの企業も、人手不足対策で、同じように悩んでいる。

中小零細企業では、工場や施設を稼働させるための、必要最小限の人材にも事欠いていて、それが企業存続の危機とすら言われている。

ついては、なんだかんだと理屈をつけて、外国人労働者を雇っている。

コンビニの店員なんか、外国人がかなり増えているし、企業が研修生と称して外国人を雇っていることからも、労働力不足対策が喫緊の課題であることが分かる。

 

実際に周辺に外国人が増えることは、治安面では、懸念はあっても良いことはない。

その分、自治会の住人からは、不安な思いも漏れ聞こえてくる。

別段、具体的な危険に遭遇したわけではなくても、やはり外国人が増え、彼らが集団で動いていると、畏怖や違和感を覚えるからだ。

しかし現実は、企業も学校も、背に腹は代えられないところまで追い込まれている。

 

もしも僕の地元で、この学校が立ちいかなくなれば、町の根幹が揺らいでしまう。

それは、税収入が減ってしまうだけはない。

実は我が家周辺の自営業者は、その大半がこの学校の生徒相手で成り立っているのだ。

床屋も食堂も自転車屋も、学生が消えたら、途端に商売上がったりになる。

飲食店が「学割特価」と特別サービスするほど、ガクセイ様は大のお得意さんだ。

こんな店は、日本人でも外国人でも自分の商品を買ってくれるなら、国籍に無関係で全員が上客だ。

「外国人お断り」みたいな排斥意識など、絶対にありえない。

 

そして、こんな企業城下町、学校城下町は、日本の至る所に存在している。

全国の大学が、稼働率アップのために外国人を受け入れているのは、世間的には批判が多いが、当事者や関係者は、綺麗ごとなど言う余裕はない。

近所のコンビニが存続するためには、外国人労働力が欠かせない。

学校も然りで、外国人留学生でしか経営が成り立たないのなら、少々のリスクは覚悟して受け入れるしかない。

 

もしも自分が住む町に企業や学校があれば、住民は、何としてでも彼らの事業が持続できるよう、少々の不自由さは甘受しなければならない。

僕個人は、移民には反対意見の持ち主だが、最早、外国人を白眼視するのではなく、外国人との共生を考えざるを得ない時代のようだ。

嫌だけど、そんな時代になってしまった。