昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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アタマの良い人

「あの人はアタマが良い」と、称賛される人は多い。

しかし、アタマが良いとは具体的に何のことかは、人それぞれのようだ。

 

論理的思考で説得力のある話し方をする人は、アタマが良いと思われがちだ。

だから評論家と称するヤカラどもは、実際は無内容、あるいは支離滅裂でも、あたかも起承転結を伴っているかの如く、且つ自信満々に喋る。

詐欺師が人を騙す手段も全く同様の能力なので、評論家と詐欺師には共通項がある。

これは我々の仕事の場面でも一緒で、不安気な態度で話すと、例え正しいことを説明しても相手が心配になるし、上手くいかないケースが多い。

だからプレゼンテーションの場面では、常に聴衆とのアイコンタクトを欠かさず、威風堂々とした態度が求められる。

すると聴衆は、勝手に「この人はアタマも良さそうだし、頼りになる」と信じ込んでくれる。

 

ノーベル賞モノの発見などは 、科学者の発想力、創造力に拠るので、大発明や大発見した人物は、アタマが良いと尊敬される。

だが、往々にして専門バカを露呈することもある。

天才と称されても、変わり者扱いされる人が多いのは、ある部分の能力は極限まで秀でていても、ソレだけに限定されているからで、これは世間知らずになってしまう典型だ。

 

記憶力もまた、アタマが良いかどうかの尺度になる。

学校の成績、即ち偏差値においては、記憶力の差が大きく影響する。

例えよく分からなくても、無理にでも覚え込めば、成績が上がる傾向が強い。

今の教育制度では、理解力よりも記憶力の方が求められるからだ。

要は、単に記憶力が良いだけなのに、世間的にはアタマが良い人と評される。

裁判官や弁護士も同様で、司法試験と言う難関を合格した連中なので、アタマが良いと誤解されがちだが、これは六法全書や法律の前例を覚えただけだ。

カルロス・ゴーン逃亡の手助けをした弁護士や、誰もが首を傾げる判決を下す裁判官などは、アタマが良い人間なら絶対にやらない。

 

似た言葉だが、「人が良い」には、アタマの良さのニュアンスは全くない。

むしろ、お人好しで、些か力量が物足りない場合に使われがちだ。

ところが「人柄が良い」と「柄」が入るだけで、一目置かれた尊敬の念が加わる。

しかし、本当にアタマが良いのは、この人間的魅力にあふれた人の方だ。

きわめて抽象的だが、包容力、コミュニケーション力、批判的思考力、自己管理力、問題解決のためのアイデア力、チームへの貢献力、雑談力、創造性、約束時間を守るなどの能力の持ち主こそ評価されるべきだ。

 

しかも、この種の能力の大半は、先天的なものではなく、むしろ個人の意気込みや努力によって、後天的に得ることができるものだ。

こんな能力の方が、圧倒的に人から信頼されるし、あるいは人とうまく付き合うアタマの良さになる。

人間は努力によって、アタマの良い人になることができるようになっている。