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百田尚樹の安倍首相批判

百田尚樹は、長らく安倍晋三の応援団と思われてきた。

実際に今問題となっている「桜を見る会」でも、安倍首相の招待で参加し、にこやかな表情で一緒に記念写真を撮っている。

その所為か百田は、安倍首相のやることなすこと、葦の上げ下ろしまで嫌いな「アベノセイダーズ」連中からは、文字通り蛇蝎のように嫌われている。

 

その百田が、安倍首相を批判して話題になっている。

百田はTwitterで、今回のコロナウィルス問題を取り上げ、日本政府の危機管理能力欠落を、安倍政権の無能さの所為と痛烈に批判した。

日頃は、安倍首相への褒め言葉を並べる百田だけに、むしろ右側の陣営にショックが広がったようだ。

そんな連中は、今度は百田に対して「味方を撃つと敵を利するから安倍首相を批判するな」と非難している。

百田は「僕は是々非々だ」と反論したが、ちょっとした内輪もめ状況となった。

 

実は、プーチン習近平金正恩なら、80%以上の支持率となるだろうが、民主主義の日本では、右側人間に中にも、安倍首相との距離感に差がある。

肯定派は、様々な問題点はあるかもしれないが、今の日本の舵取りを任せうる政治リーダーは、安倍首相しかいないと考え、細かいことで批判するべきではないと考える。

否定派は、安倍首相が約束してきた靖国神社参拝をしないことや、憲法改正にも及び腰が目立つことに不満を持っている。

百田は、両方の考えを併せ持っている人物のようだが、今回の武漢からの日本人救出劇のお粗末さには我慢できなかったようだ。

 

確かに、日本政府の対応は、お世辞にも早かったとは言えない。

アメリカが自国民救出にチャーター機を飛ばすまで、具体的対策は全くなかった。

実際は裏交渉が行われていたのだろうが、少なくとも表面的な動きはゼロだった。

また病気が蔓延した後になって分かってきたが、日本にはこのような事態に備えた法整備が皆無で、何かやりたくても、実際は手の打ちようもなかったらしい。

そんな日本の現状に対して、百田がストレス塗れになることも、大いに理解できる。

 

しかし、しかしだ。

今回の相手は、あの名にし負う中国なのだ。

自国のメンツ最優先で、他国の事情など構っちゃいない国だ。

当然ながら、真面な情報が流されているわけではない。

WHOは最初から中国ベッタリで、中国が武漢市を封鎖するまでに至っても尚、「非常事態宣言」の発動すらしなかったほどだ。

そんな中国と国際社会を相手に、どうすれば日本人を保護できるのか。

アメリカは強大な兵力があるから、中国を相手にしても互角以上に渉り合える。

しかし、日本が中国と交渉する時は、地道な説得工作を繰り返す以外には、やりようがないのが実態だ。

 

今回の新型コロナウィルスの大問題に関しては、日本国内の法整備が急務だが、もう一つ、外交の在り方も問われた。

フィリピンのドゥテルテ大統領は、病気発症直後に中国人の入国を全面的に禁止した。

日本で同じことをすれば、その直後から「安倍独裁政治を許すな」の声があがる。

国家的危機の中でも、揚げ足取りの反政府運動しか関心がない野党勢力が蠢くからだ。

 

百田が、日本政府と安倍首相の危機管理能力に呆れ果て、警鐘を鳴らすのも重要だ。

しかしそれだけでは、事態は全く変わらない。

日本国民が、非常事態下では少々の不満や不平は我慢して、国家を挙げての水際対策を支持するまでに考え方を変えなければ、いつまでも平和ボケが治らない。

実は、国防も感染症予防も、同じ問題を孕んでいる。

大好きだったはずの安倍首相を面罵してまで、危機管理の現状と問題を提起した百田の行動が、日本国民の覚醒につながることを願ってやまない。