「ラグビーとサッカー」の両スポーツとも、ワールドカップを見た後、急に関心を持った生粋の「俄かファン」だ。
だから、あれこれ知った振りして蘊蓄を傾けると、真のファンは眉を顰めるだろう。
それを承知でモノ申すと、両方とも大変面白い。
サッカーについては、「ドーハの悲劇」をライブで見て以来、全日本を応援してきた。
その後の全日本は、W杯の常連になり、前回大会でも決勝リーグに進んでいる。
そこそこの成績はあげるし、Jリーグもすっかりファンの間に定着した。
当初からJリーグは、フランチャイズ制に拘った。
スポーツを新聞の広告塔と考える読売新聞の渡辺恒雄は、プロ野球と同様にサッカーも、企業がチームを支援する体制を強要した。
しかし当時のJリーグチェアマン、川淵三郎は、この要求を断固拒否した。
渡辺は「川淵は共産主義者だ」と罵ったが、今になると、川淵の慧眼が分かる。
渡辺は、時代遅れの耄碌爺ィでしかなかった。
ラグビー人気は、昨年から急速に盛り上がった。
元々はコアなファンがいて、学生王座決定戦の早明戦は多くの観衆が押しかけていた。
しかし、日本ラグビーの頂点たるべきトップリーグが地味だし、未だに企業所属チームばかりなので、選手のプロ化も遅れている。
森喜朗の尽力で、ワールドカップがアジアで初めて、日本開催が決まった時ですら、チケット販売が不安視されるような状態だった。
余談ながら、森喜朗は「チケットは必ず完売するので心配ない」と強気だったらしい。
政治家としてはボロクソに貶され続けた森喜朗だが、ワールドカップ日本招聘を実現した点では、サッカーの川淵に匹敵するラグビー界の功労者だ。
そのラグビーは、昨年のワールドカップで面白さが伝わり、爆発的人気を博した。
そしてそれは、今でも継続している。
トップリーグの観客動員数は鰻上りだし、選手たちのマスコミへの露出も急増中だ。
またWOWWOWやケーブルテレビでは、世界トップレベルラグビーを放映している。
スーパーリーグとか、6ネイションズの戦いぶりは、サッカーの国際試合と同様に、ハラハラドキドキの連続だ。
ラグビーは、大層面白い。
両スポーツ共、俄かファンの僕だが、ラグビーに比べてサッカーには二点不満がある。
一つは、サッカーの場合、時間管理がいい加減なことだ。
ロスタイムのどうやって決めているのか分からないし、選手が倒れた時も時間は進み続けるので、本当の残り時間が審判によってまちまちになる。
勝っているチームの選手は、わざと寝転んで露骨に時間稼ぎを仕出かすし、それに対するペナルティもバラバラなので、フェアな感じがしない。
二点目は、イエローカード、即ち反則の問題だ。
カードを二枚受けると退場処分となるが、逆に言えば、一枚までは反則が許容されているともとれる。
実際の試合で反則を自粛するのは、「既に一枚カードを貰っているから」との理由だ。
本来のイエローカードは、選手の身の安全を守るためのモノだろうが、現実は、試合に勝つために、ピンチの場面で意識的に反則されているのだ。
解説者もまた「今のはカードを覚悟した頭脳的プレイ」と、反則を称賛したりする。
ラグビーはこうではない。
意図的に、相手選手に危険行為をした場合は、例え最初の反則でもシンビン処分を受け、10分間の一時退場を命じられる。
ラグビーでは、試合が不利にならないために意識的反則などは許されない。
僕はこれを、ラグビーとサッカーの、決定的で本質的な差だと思う、
ノーサイド精神はラグビーでは当たり前だが、サッカーは稀にだが、試合終了後に、乱闘騒ぎが発生する。
恐らくはこの両スポーツでの、練習や試合現場での教育が、全く違うのだと思われる。
隣の迷惑国歌、韓国は、サッカーは強いがラグビーが弱いのは、偶然ではなく必然だ。
個人的には、韓国人が少ないラグビーは、大変居心地が良い。
僕は今では、すっかりラグビーファンになっている。