昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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確定申告

年に一度、確定申告の時期になった。

会社員の現役時代は、全部会社側がやってくれていた。

最後の最後の年末調整で、プラスになれば大喜び、マイナスにでもなれば大損したような気分になっていた。

 

しかしリタイア後は確定申告については、僕が市が指定した会場まで出向き、訳が分からないまま手続きをすることが恒例となった。

昨年などは、わずか2千円にも満たない還付金で、半日もかける意味があるのか疑問にも思ったものだ。

しかしこんな不況のご時世で、わずか2千円と言えども、黙って差し出してくれる奇特な人はいない。

しかもこれは、手続きさえすれば、正当に取り戻すことができる市民の権利だ。

だから少々面倒臭いが、今年もまた確定申告に出かけることにした。

 

午前9時45分、二階までは大型スーパーで、三階が確定申告の会場に到着。

受付番号75、午前中は百人までなので、あまり余裕はない。

今年の会場は、市役所の係員は全員、市民の八割以上がマスクを着用している。

それだけで、例年と違う雰囲気が漂っている。

いつもなら、隣同士で情報交換したり、あるいは書類の分からない部分を相談したりする光景が見られるはずだが、今年は全員がただひたすら黙って自分の順番を待つ。

会場中の人たちが、明らかに武漢肺炎を怖れている。

 

一時間近い待ち時間で、僕の順番になった。

用意してきた書類を提示し、係員が計算する。

今年は僕の書きミスがあり、訂正が入ったので、いつもより時間がかかった。

そしてその結論は、「今年の還付金は有りませんネ」だった。

ガッカリしている僕を見て、係員は同情したのだろう。

新しい情報を加え、何度か計算をやり直していたが、最終的には「支払った税金が少ないので、やはりダメです」になった。

 

そこで僕は、会社員現役時代を思い出した。

確かあの頃は、税金の支払いが少ない場合は、年末調整で取り立てられた。

恐る恐る質問すると、「年金生活者は追加支払いは免除」と聞き、ほっと一安心。

そもそも性格がケチなので、還付金がないと損したような気分になるが、実は確定申告の還付金がないのは、昨年一年間の治療代や薬代が少なかったことの表れだ。

本来は、喜ぶべきことなのだ。

そう思い直して、会場を後にした、

 

しかし、こんな税金の支払いの少ない年寄りばかりが増えるのは、我が町にとっては一大問題だろう。

余計なお世話ながら、市長や市役所職員の苦労が分かるような気がする。