スーペル・コパ(正式にはスーペルコパ・デ・エスパーニャ)は、サッカー王国スペインの由緒正しきスーパーカップ戦だ。
四チームのトーナメントだが、ルールや仕組みについては各々で調べて欲しい。
世界的にもサッカー先進国、スペインの中でも、とりわけ強豪四チームが優勝を争うので、注目度が高く、人気もすごい。
2020年1月の決勝戦は、レアル・マドリード対アトレティコ・マドリードの、マドリードダービーだった。
試合結果を先に書くと、延長戦でも決着がつかずPK戦になり、レアルが優勝した。
MOM(Man of the Match)はフェデリコ・バルベルデ。
と、ここまでは何てことない、ビッグゲームの結果報告だ。
その試合のダイジェストYouTubeはこちら。
https://www.youtube.com/watch?v=S55OVslwxZA
どうせ点が入らないので、ドンドン飛ばして5分50秒くらいから見てもらえば良い。
延長も後半、残り5分くらいのシーンだが、アトレティコのアルバロ・モラタが抜け出し、キーパーと一対一の勝負になる直前の場面だ。
この時、後ろから猛然とタックルして足払いをくらわしたのが、バルベルデなのだ。
勿論、一発レッドカードで退場処分。
そして一番の驚きは、この退場処分を受けたバルベルデが、MOMになったことだ。
理由は簡単で、「アレがなければ、レアルは負けていたから」だと。
レアルのジダン監督は、「彼は、自分がすべきことをした」と擁護した。
これは勝ったチームの監督だし、自分のチーム所属選手を庇うのは当たり前だろう。
しかしこの反則の所為で、結果として負けてしまったアトレティコのシメオネ監督まで、「彼の立場なら誰でも同じことをした」と肯定的にコメントしている。
しかもシメオネは、退場になるバルベルデに対して、温かい声まで書けているのだ。
僕は、全く理解できない。
サッカーでは関係者全員が、反則プレイも技術のうちと認識しているという事になる。
何故ならバルベルデが仕出かした反則は、敵チームの選手の、選手生命にも影響しかねない悪質極まりないモノだからだ。
しかし、こんな危険プレイをしても、勝てば英雄扱いだ。
むろんバルベルデは、試合後モラタ選手に謝罪したし、「気持ち良くはない」らしい。
サッカー界では、その謝罪を以てあの反則を水に流し、優勝カップには燦然と、レアルの名前が彫り込まれる。
ビッグタイトル獲得のレアルは、益々人気上昇なのだが、本当に、それでいいのか?
何だか割り切れないナァ。
綺麗ごとをいう訳ではないが、反則行為へのカードは選手を守るためのモノのはずだ。
それを、勝つための手段として利用するのは、本末転倒だろう。
昔のプロレスは、5カウントまでなら、反則攻撃が許された。
見るからに悪相の外国人レスラーは、レフェリーが4カウントすると一旦反則を止めるが、すぐにまた同じ反則を繰り返す。
そんな悪漢レスラーの卑劣な攻撃に、幼気な日本人レスラーが極限まで耐え忍び、最後の最後に正義の鉄拳を振るって悪を成敗する姿を見て、子供心にも「反則は絶対にダメだし、最後は正義が勝つ」と信じたものだ。
義侠心溢れる青年に成長したプロレス少年だった僕にすれば、勝つための反則が奨励されたサッカー少年は、手段を選ばず勝ちに拘る、信用できない人間に見えてしまう。
プロレスが子供の教育に良かったとは言わないが、サッカーと言うスポーツは、間違いなく少年を、コス汚い人間に育てているとしか思えない。
サッカーをやってきた社会人をは、要注意人物と見るなんて、そんなアホな!!