昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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よく分かる(かも知れない)共産主義講座

HATENA(ハテナ)ブログ二年目で、結構堅苦しい講義を一席の巻!

 

学生時代にひたすら学問に明け暮れ、血の滲むような努力を重ねて理解した共産主義理論を、分かりやすく説明します。(実はほとんどウソで、超不真面目学生でした)

  授業 共産主義とは何か?

  副題 今でも日本共産党破防法の監視対象なのは何故か?

 

共産主義は、カール・マルクスが体系化し、ウラジミール・イリイッチ・レーニンが実践したので、マルクス・レーニン主義と言われる。

日本共産党も世界中の共産党も、自らを「マルクス・レーニン主義政党」と名乗る。

元々世界中の共産党は、コミンテルンの指示でインターナショナル革命を目指したのだから、それなら各国の共産党同士で、仲よく連携ができそうなものだ。

しかし実態は、世界中の各々の共産党は「自分だけが唯一無二の正統マルクス・レーニン主義政党で、他は全て異端で亜流」と主張する。

これは世界中の共産党員がそれぞれに、自分の組織のトップだけが唯一絶対的存在であり、しかも決して過ちを犯さないと、勝手に信じ込まされているからだ。

そしてこれこそが、共産主義の宿痾の病の核心部分だ。

 

日本共産党を始めとして、我々の身近で活動している共産党は、マルクス・レーニン主義と言いながら、実はその大半がレーニン主義の政党だ。

マルクス主義は、「天才」思想家マルクスが机上で夢見た桃源郷社会であり、人間が善意の塊であることを前提としている。

しかしそんな奇特な人間は、どこを見渡しても存在しない。

人間は生まれつき能力に差があり、可ならより多く収穫する人と、下手糞に別れる。

能力ある人の稼ぎを、不出来人間にも平等に分け与える事が可能ならば、万人に平和な社会が実現し、収穫の分配で争いが起きるはずがない。

しかし現実は、そんなことをすれば能力ある人の意欲を削ぎ、経済活動が低迷する。

だから共産主義社会群は低迷し、結果として資本主義国家群に敗退してしまった。

マルクス主義は、とっくに破綻している。

 

マルクスの理論を、世界で初めてこの世で実現したのが、ロシアのレーニンだ。

マルクスは、先進国のドイツで革命が起きると夢想していたが、実際には発展途上国ロシアの冷酷な「天才」戦術家、レーニンによって世界初の共産主義国家が誕生した。

1917年のロシア革命だ。

レーニンは徹底的なリアリストで、共産主義政党を強固な組織に作り上げ、政敵を次々と粛清したが、その時に虐殺された保守派、反共産党派の数は定かではないが、70万人ともそれ以上とも言われる。

この時の組織がヴォルシェビキであり、全ての国の共産党のモデルだ。

 

レーニン主義組織の特徴は以下の三つ。

  ・共産党トップは、今も将来も、絶対無謬の存在であり続ける

  ・徹底的な上意下達、上位からの命令は絶対

  ・権限集中、言論統制、秘密警察による政敵と人民の取り締まり

これこそ、全世界の共産党に共通の特徴だ。

 

レーニンは、共産主義実現のために組織論を書いたが、その本質は

  ・上位は下位に指示し、徹底的に進捗状況を管理し、評価する

  ・下位は上位に命令に唯々諾々と従う

との、極めて非人間的関係を強制している。

もしも少しでも下位からの批判があり得るなら、志位和夫が無投票で20年近くも日本共産党トップに居続けることなど、できるはずがない。

しかしレーニンが考え付いた、この上位が下位をこき使うことができる関係こそ、敵との戦いに勝つためには最強の組織論と言われ、実は多くの組織で採用されている。

現にこのレーニン的組織は、宗教団体、軍隊、ヤクザ組織、秘密結社も全く一緒だ。

そして今では、多くの企業もまた、このような組織論で経営されているほどだ。

 

共産党の恐ろしさは、共産党の教義がマルクス主義だからではない。

マルクス主義は、今や世界のどこにも存在しないのだ。

世界を見渡せば、わずかに中国、北朝鮮キューバが、共産主義国家を名乗っている。

しかし中国は、共産党が王朝として統治しているだけで、既に計画市場経済との訳の分からない資本主義国家と化している。

北朝鮮に至っては、金王朝世襲の封建国家でしかなく、主体思想金王朝を維持するために共産主義の文言を借りているに過ぎない。

キューバもまた、長年に亘って不倶戴天の敵だったはずのアメリカと国交を回復し、共産主義を捨て去ることが時間の問題となっている。

マルクス主義は、一時期人気だった流行り病でしかなかった。

 

しかし、レーニン主義は違う。

多くの組織が、レーニン主義に則っているし、勿論、共産党こそその本家本元だ。

同じレーニン主義組織でも、一般企業は効率的に利益を追求のためだけのモノだが、共産党は今の政府を打倒して自ら政権奪取することを目指している。

今の日本共産党は平和革命を唱えているが、それはレーニン主義の暴力革命が失敗したからだけで、レーニン主義そのものを否定したわけではない。

だから、一旦権力を掌握した途端に、冷徹で残虐無比なレーニン主義の本性が現れる。

 

一口に共産党と言っても、マルクス共産主義理論は夢の世界のおとぎ話でしかなく、とっくに破綻している陳腐なモノだ。

しかしオウム真理教は、あれほど荒唐無稽な教義ながら、信徒が教祖の野望実現のためにテロ行為に走った。

それが、レーニン主義組織の恐ろしさだ。

日本共産党は、今は議会で多数派を目指すと言っているが、その本質は、共産主義国家でプロレタリア独裁国家の実現だ。

だから万一にでも共産党が政権を取れば、必然的に日本の民主主義体制を否定される。

 

日本共産党が、教義としての共産主義を捨て去り、党名から共産の名称が消え、組織が民主的に運営されない限り、このレーニン主義組織の脅威は残り続ける。

よって、いくら日本共産党は平和主義政党だと自称しても、共産主義政党でレーニン主義組織である以上、破防法の監視対象から外されることはない。

「マルクソ・タレーニン」などと、バカにしている場合ではないのですヨ。