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篠原常一郎と李相哲が流した金正恩重体説の真贋

北朝鮮金正恩が、20日ぶりに姿を現した。

金正恩に関しては、この間、重病説や、植物人間説、果ては既に死亡説まで出ていた。

元々太り過ぎで不健康だと報じられていたし、北朝鮮で最も重要な祝日、叔父さんの金日成生誕日の式典に参列しなかったことが、この噂の信憑性を上げた。

 

一方この情報源が、この間フェイクニュースを多発して、あまりアメリカで信用されていないCNNだったことから、信憑性に疑問を呈する声もあった。

しかしそれでも、世界中がこのニュースで大騒ぎになったことは間違いない。

日本においては、篠原常一郎と李相哲が、金正恩重病説の急先鋒だった。

そして結果論だが、金正恩は元気だったので、この情報は間違いだったことになる。

 

世界中にはガセネタが溢れ、我々が聞く情報も真偽入り乱れていることは、経験的にも、大袈裟に言えば歴史的にも分かっている。

インテリジェンスの世界では、自分の立場を有利にするために、本当の情報を隠し、積極的にウソの情報を発信するような、明白な意図をもった情報操作は当たり前だ。

しかし今回の金正恩重体説は、そんな国際的駆け引きの中の情報ではない。

報道機関や識者が、独自ルートで入手した、北朝鮮に関するスクープなのだ。

しかしそれは、残念ながら誤情報だった。

 

ここで一番問題となるのは、誤情報を発信した後の態度だ。

情報発信者としては、先ず誤情報で混乱を招いたことへは謝罪があるべきだろう。

また内的には、誤情報の原因究明と、再発防止策が必要になる。

もちろん、この作業の内容を、世間様に知らしめる必要はないが、情報発信者として信頼を取り戻すためには、誤情報再発防止はマストだ。

 

しかし殆どの場合、誤情報を発信した連中は沈黙する。

あたかもそんなことは知らない、あるいはそんなことはなかったかのように振る舞う。

人の噂も75日で、人の口の端に上がらなくなるまで、知らぬ顔を決め込む。

しかし実はそれでは、情報発信者としての信頼感は高まらないのだ。

 

今回に関しては、CNNを始め、ダンマリを決め込む連中の中で、例外的に篠原常一郎は、別の考えを発表した。

その姿勢は潔いと評価しないといけないが、その内容はお粗末極まりない。

篠原は、「今後の北朝鮮は、替え玉と金与正の時代か?」と伝えた。

要は、今回登場したのは、金正恩の替え玉だと言いたいようだ。

すると篠原信者連中が、「やっぱり」と呼応し、人によっては金正恩の写真と今回の人物を比較して、篠原の替え玉説をバックアップする世話好きまでいる。

 

しかしはっきり言って、替え玉説を持ち出した時点で、その論理は破綻したも同然だ。

どうにも説明に窮した時、人は陰謀説や替え玉説を持ち出し失敗を胡麻化そうとする。

しかし今の情報化時代で、金正恩の替え玉説など、戦国時代の武田信玄に五人の替え玉がいたとの、真偽のほどが全く不明なインチキ情報と一緒だ。

SNSがなかった戦国時代なら未だしも、ここまで情報があけすけに晒される現代では、絶対にバレない替え玉などあり得るはずがない。

 

別に、誤情報を発信したことを恥じ入る必要はない。

再発しなければいいだけだし、内部で再発防止策が講じられればいい。

逆に、訳の分からない言い訳をすればするほど、見苦しくなる。

篠原は、半年ほど前の月刊HANADAに「文在寅がチュサッパ(主体思想派)だった」と大スクープを掲載し、「この情報は韓国内でも大注目されている」と自慢していた。

確かにこれが本当なら、朝鮮人にとっては一大事件だ。

南北に分断され、敵対してきた一方の国家元首が、もう一方の国に忠誠を誓っていたことが本当なら、北朝鮮による朝鮮統一が具体的な現実性を帯びてくる。

無論、韓国にもそんな考えを持つチュサッパはいるにはいるだろうが、独裁政権の恐怖を知る多くの韓国人は、北朝鮮金王朝にアレルギーを持っているはずだ。

文在寅が篠原情報通りの大統領だったら、韓国人にとっては驚天動地の大事だ。

ところが今年4月の総選挙で、チュサッパ文在寅の「共に民主党」政権は大勝した。

 

どうもオカシイ。

そう思っているところに、今回の金正恩重体説の誤情報と、それに続く替玉説が、追い打ちをかけた。

金正恩が健在なら、文在寅チュサッパ説も疑わしいし、金正恩が重体だったら、文在寅チュサッパ説の信憑性は、一気に高まったに違いない。

僕の中では、篠原情報への信頼感が、音を立てて瓦礫のように壊れた。