東京都知事選は、7月5日に投開票らしい。
わずか、一か月後だ。
気分だけはチャキチャキの俄か江戸っ子だが、手持ち資金不足から東京都民になれなかった当方としては、誰が立候補しようと、何がどうなろうと、高みの見物でしかない。
しかしそれは、何と幸せな立場だろう。
もしも都民だったら、都知事選で誰に投票するのか、悩みに悩むに違いないからだ。
何せ立候補を表明したり、噂になっている候補者の顔ぶれが、凄いと言うか、酷い。
現職は、あの悪名高い小池百合子だが、僕は、政治は客観的に判断するべきとの信念があるので、小池治世のプラス面も指摘する。
それは二つあって、一つ目は、それまで恒例になっていた、関東大震災の際に虐殺された朝鮮人追悼集会への、都知事追悼文を提出していないこと。
当然ながら、共産党や朝鮮人団体からは「歴史を反省しない異常行為」と大批判されているが、未だに被害者の数に諸説あるのは、南京大虐殺と同じ構造だ。
小池の「歴史家の判断が必要」との見解は、慰安婦や南京虐殺問題を、まるで無警戒、不用心に相手の主張に合わせてしまった、情けない日本の過ちを繰り返さない意味で、政治家としての信念がある行動だ。
二点目は、今回の武漢肺炎対策での自粛要請で、営業を続けたパチンコ屋に対して、毅然として店名公開で臨んだことだ。
パチンコ業界が、朝鮮総連と密接な関係にあることは、公然の秘密だ。
武漢肺炎の蔓延を防ぐために、日本人が過重な負担に耐えている時、反日行為の資金源の可能性がある業界が営業を継続することは、心情的に許せない。
小池に関しては、この二点は高く評価できるが、築地移転問題のダッチロールで生じた損失は、そんな程度では到底穴埋めできない。
マスコミ挙げての大応援で、支持率80%になった小池が舞い上がった結果「希望の党」で自滅したから良かったようなものの、あのまま突き進まれたら、東京都は未曽有の大赤字で大混乱に陥ったに違いない。
そんな小池だが、吉村洋文大阪府知事のパクリ武漢肺炎対策が評価されたらしく、最新の調査では、支持率70%近くまで上がり、都知事再選も確実と言われている。
あの女狐ならぬ女(メ)狸が、八年間も都知事を続けるとは、何をかいわんやだ。
前回の都知事選では、野党候補一本化のために宇都宮以下のポンコツ、鳥越俊太郎に譲って立候補を取り下げたが、都知事選となると必ず共産党支援で登場してきた。
実は、小池が大人気を博した原因となったインチキ政策、築地市場移転反対は、元々は共産党と組んだ宇都宮のデッチ上げ主張だった。
言ってみれば、あの大損害は、小池が仕出かした出鱈目の結果なのだが、宇都宮が都知事だったらもっととんでもない泥沼になっていたモノだ。
「日本のサンダーズ」などと煽てられたが、本家のサンダースが民主党でも弱小少数の過激意見の持ち主なのと同様、都知事など務まるはずがない危険人物だ。
もう一人、立候補を噂されているが、N国党の立花孝志だ。
前回の参議院選で国会議員の座を獲得したN国党、立花孝志は、一時期マスコミに登場しない日がなかったほど持ち上げられた。
N国党への注目も集まり、地方議会では次々と議席を得るなど、一躍時の人になった。
ところが好事魔多しで、国会議員を辞職して埼玉県知事選に打って出たのがケチの付き始めで、当然ながら落選した途端、誰からも見向きもされなくなってしまった。
その後はやること成すこと上手くいかなくなった立花は、相当焦っているのだろう。
今度は、東京都知事選への立候補を表明すると同時に、「ほりえもん新党」をデッチ上げ、堀江貴文を担ぎ出す構えだ。
しかし、元々泡沫政党だったN国党の化けの皮が剝れてしまったので、いくら騒いでももはや注目されることはない。
他にも、熊本県副知事が立候補するようだ。
小野泰輔と、名前も聞いたことがないような人物だが、歳だけは46歳と若い。
ひょっとしたら泡沫候補度と馬鹿にされながら、他の選択肢がなくて宮崎県知事になった東国原英夫みたいな大化けがあるかもしれない。
尤も東国原も、任期途中で宮崎県知事を投げ出し国政に打って出たが、今やお笑いコメンテータに逆戻りした無責任オトコだ。
新進気鋭の若者か、あるいはどこぞの馬の骨か、全く分からない人物に都政を任せる物好きはいない。
どの候補者をとっても、ロクなもんじゃない。
「パチンコ屋の倒産を支援するブログ」のブログ主は常日頃、「選挙は良い人を選ぶのではなく、より悪くない方に投票するもの」と主張している。
しかし今回の都知事選では、果たして彼は、誰に一票を投じるのだろう。
多くの良識的な都民同様、ご愁傷さまで悩ましい二か月間になるはずだ。