昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

横田滋さんの無念の死

 f:id:Sadda_Moon:20200606135910p:imagef:id:Sadda_Moon:20200606135859p:imagef:id:Sadda_Moon:20200606135849p:image

横田滋さんが、87歳で鬼籍に入った。

長年に亘って拉致被害者の会代表を務め、ひたすら「拉致された娘を取り戻したい」一心で活動してきた人だ。

拉致被害者の会のシンボル的存在だったが、42年間にも及んだ北朝鮮との戦いでも、拉致された娘さんを取り戻すことができなかった。

さぞや無念だろうし、心残りだっただろう。

故人の想いを想像するだけで、悔しさと情けなさがこみあげてくる。

 

安倍首相は、未だ拉致問題が世間に知られる前から、この問題に真摯に取り組んできたので、横田さん夫婦を始めとした拉致被害者の会からの信頼も厚いと聞いている。

しかし、その安倍政権下でも、拉致問題は全く進展しなかった。

わずかに、アメリカのトランプ大統領が被害者の会メンバーと面談したとか、北朝鮮との米朝首脳会議で議題にしたとか程度の進展でしかない。

そんな精神的な支えは、あるに越したことはないが、今の被害者の会にとっては、一日も早く拉致された親族を取り戻すことが活動の目的のはずだ。

 

現在の世界常識から最もかけ離れた。北朝鮮を相手の交渉事なので、様々な障害があることは分かる。

だがそれでも、政権挙げて最優先して解決するべき、一丁目一番地のテーマと位置付ければ、違った展開も期待できたはずだ。

第一次、第二次安部政権は毀誉褒貶が激しいが、僕は総じてプラスと評価している、

但し、成果ゼロのこの北朝鮮による拉致問題だけは、安倍首相を以てしても、被害者の会の期待を大きく裏切ったものでしかなかった。

 

それでも未だ、拉致被害者を忘れないためのブルーリボンバッチを着用している議員たちが、同志だった横田滋さんに哀悼の意を表明するのは理解できる。

腹が立つのは、この間全く拉致問題など無関心だったヤツとか、あるいは結果として足を引っ張る行為をしてきた議員が、行けシャーシャーと弔意を述べていることだ。

 

福島みずほ有田芳生枝野幸男などがそうだ!

 

そもそも福島が所属する社民党は、その前身の社会党時代から「拉致はなかった」と広言していた。

「日本人を拉致することは、共和国には何の得もない」との根拠からだった。

それが小泉純一郎の訪朝で、日本からの支援金に目が眩んだ北朝鮮の首魁、金正日が、何と日本人の拉致を認め謝罪してしまった。

しかも、五人の拉致被害者を帰国させる事態にまで至ると、それまで拉致の存在すら否定してきた社会党社民党の理屈は一挙の根拠がなくなる。

恥の上塗りとはこのことで、当時の社民党党首、土井たか子は、それまでの「拉致はなかった」としてきた言動を謝罪する羽目になったが、だからと言って、何十年にも亘って被害者の会を足蹴にしてきた過去を拭い果せるものではない。

福島が横田滋さんに哀悼の意を表すのなら、先ずは自分の所属する政党の過去の不始末、不誠実さの謝罪から始めるべきだ。

 

有田もまた酷い。

Twitterでは、横田夫妻と一緒の写真をアップし、如何にも被害者の会と一緒に行動したかのように繕っているが、安倍首相と被害者の会を離反させようと画策したりして、むしろ被害者の会から不信感を持たれていた人物だ。

またモンゴルでの横田夫婦と孫の面談を、さも自分の手柄のように写真付きで発表したが、横田夫婦から、これは絶対に公開しない約束だったと抗議もされている。

結果として、めぐみさんの命を脅かす恐れのある行動をとった輩が、横田滋さんの死を利用して、自分の立場を合理化しようとする。

有田は、北朝鮮との独自ルートをひけらかしていたが、そうなら自ら北朝鮮と直接交渉して、一人でも二人でも拉致被害者を取り戻す努力をしてこい。

 

枝野もこの間、北朝鮮拉致問題に取り組んでいたとの印象は皆無だ。

それでも、「めぐみさんとは同学年」とか、「理不尽な拉致に対して強い憤りを感じてきた」とか、およそ心の籠っていないツイートを載せた。

強い憤りがあったら、一度くらいは拉致被害者の会合や街頭での署名活動に参加し、北朝鮮への抗議デモでも組織して欲しかったものだ。

 

ハッキリ言って、与党の中でも拉致被害に無関心だった議員は多い。

ましてや野党に至っては、老体に鞭打って拉致被害者を取り戻そうと努力した被害者の会メンバーに対してすら、連帯の姿勢を示した議員はほとんどゼロだ。

それなのに、横田滋さんと一緒に戦っていたような印象を与え、アリバイを作って逃げ込もうとする、そんな政治家の在り方には吐き気すら催す。

 

日本人拉致は、北朝鮮による国家テロだ。

北朝鮮はその他にも、大韓航空機爆破やラングーンでの爆弾テロ、最近ではマレーシアでの金正男暗殺などのテロ行為を続けてきた。

更には、覚せい剤の密造販売や、偽札、偽タバコ製造など、国家を挙げての犯罪行為には枚挙の暇がないほどだ。

そんな犯罪国家が、核兵器開発に手を染め、その核兵器を武器に国際社会に北朝鮮の認可を要求している。

居直り強盗よりも始末の悪い国家が、日本の目と鼻の先にあり、隣国の韓国は、そんな国との友好と統一国家を夢見ている。

 

横田滋さんの無念の死は、国家犯罪に弱い国際社会と、それを咎めることができない日本の情けなさの表れだ。