「前進」や「解放」と言う、機関紙があるのをご存じだろうか?
善良な国民なら知るはずがないし、知る必要もない代物なのだが、前者は過激派中核派の、そして後者は革マル派の機関紙だ。
「しんぶん赤旗」となると日刊紙だし、25名も国会議員がいる日本共産党の機関紙だから、少しは人口に膾炙しているだろうが、こちらも善良な国民には読む価値はない。
何故ならこれらの機関紙は、我田引水、牽強付会の記事しか載せていないからだ。
とにかくあらゆる社会現象を、自派に都合よく解釈し、他派を貶すように報道する。
そこには、報道の客観性などない。
読者もまた、「真実は何か?」などを調べるために、機関紙の記事を読むのではない。
自分の支持する組織は、発生した諸問題にどのような見解を持っているかを確認し、自分の理屈を正当化するために読むだけだ。
デイリースポーツが阪神を、報知新聞が巨人を応援するのと一緒だが、スポーツ新聞には、球団持ち上げの提灯記事以外に、球団を強くするための提案型記事も存在する。
しかし政党の機関紙には、そんな「愛の鞭」に匹敵する報道などない。
ひたすら上意下達の情報だけで埋め尽くされていて、「お上のご意向」を忖度し、共有するためだけの情報ソースだ。
ところてここに来て大手マスコミから、呆れるようなフェイクニュースが連発された。
・二つ目は共同通信が配信した「欧米の香港特別法抗議決議に日本不参加」
の記事だ。
いずれも、 日本の右側陣営にとっては「エライコッチャ」で、僕が師匠と信頼するブロガー「新苦労」氏も、安倍政権に悪態をつく始末だった、
http://arvb0077.livedoor.blog/archives/6592819.html
実際にこの通りだったら、さすがの僕も安倍政権に匙を投げる。
ところがこの両記事は、いずれも誤報、フェイクニュースだった。
根も葉もない記事とはよく言うが、勝手に根と葉をつけた捏造記事だったのだ。
中立的立場で真実を伝えることが使命のはずの公共機関、マスコミにとっては、事実と正反対の記事を報道するのは、致命的に信用を失墜するはずだ。
「間違いでした」「勘違いしました」で済む話ではないし、謝罪して終わる話でもないが、最低でも報道機関として誤報を謝罪し訂正の上、実際の出来事を発信するべきだ。
では一体、何故こんなことが起きるのか?
それは偏に、マスコミが中立的立場で報道しているのではないからだ。
今のマスコミの報道の在り方は、政党の機関紙と全く変わらない。
彼らは
・自分たちの主張に沿って情報を集め、自分たちの主張に沿って情報を加工する
・その記事を拡散することで、自分たちの主張を広げようとしている。
そんな作成プロセスの記事なので、出来上がったものは、自分たちがこうあって欲しいと希望する方向に捻じ曲げられている。
世の中が自分たちの記事を信用したら、政治が自分たちの望む方向に動く。
だから、その方向に国民を誘導するためには、こんなニュースが効果的だ。
代表的な大手マスコミと言えども、過激派の機関紙と似たり寄ったりの、我田引水、牽強付会の記事作りでしかないのだ。
マスコミ連中は、事実かどうかよりも先に、そんな発想で記事を作り、発信する。
それは今に始まったことではなく、今までもそんな立場で記事を作ってきたのだろう。
しかしSNSの発達で多くの人が、別に存在する事実を確認できるようになった。
今迄だったら、毎日新聞の読者は、「今秋には習近平が国賓来日して、日中関係が良くなる」と信じ込んだだろう。
共同通信の読者も、「欧米とは違い、日本は中国に配慮した外交をする」と思い込む。
結果として、武漢肺炎や香港特別法、ウィグル弾圧などで国際的に非難されている中国に対して、日本は中国の理解者の立場を打ち出すことができる。
しかし今回のフェイクニュースも、「おかしいな?」と疑問に思えば、自分で確認のためにSNSで調べることができるのだ。
過激派の機関紙程度のマスコミは、社会的に不要だ。
善良な国民なら、「前進」や「解放」「しんぶん赤旗」同様に、フェイクニュースの塊のような大手マスコミなど読まなくても、社会生活には全く影響はない。
余計な情報が齎されないぶん、気分良く生活できると言うものだ。