昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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職業に貴賎はないが

如何なる職業にも、貴賎はない。

貴賎はないが、重要度、緊急度には、差がある。

 

世の中が武漢肺炎の影響で大変なことになっている中で、大ダメージを被った中小事業者に対して、持続化給付金が支給されている。

特別定額給付金、いわゆる「国民全員に10万円支給」は、マイナンバーを持っていても、パスワードを忘れたり、途中の住所変更手続きを怠ったりした人が手続きに梃子摺り、「支給が遅い」と批判されていた。

実は、通常にマイナンバーを管理していた人には、簡単な手続きだったのだが。

それに比べて持続化給付金の支給は、総じて実に迅速のようだ。

いつもなら、安倍政権のやることは箸の上げ下げまで全部文句を言う連中ですら、大半のケースで、既に支給済みなのを認めているほどだ。

 

政府が緊急事態を宣言し、外出や営業自粛を要請したのは4月だった。

ただでさえ国民が、武漢肺炎を怖れて外出しなくなっていたのに追い打ちをかける措置で、繁華街の客足がバッタリ途絶えてしまった。

業者にとっては、泣きっ面に蜂だっただろう。

そんな時に、銀座のクラブママや新宿のホスト連中が登場し、「自粛を要請するなら補償を」と金切声を挙げていた。

金切声に聞こえるか、はたまた切実な訴えに聞こえるのかは、聞く側の主観による。

僕には、どうにも金切声にしか聞こえなかった。

何故なら、僕は職業の重要度によって、支援の差があって当然と考えていたからだ。

 

昔から、「衣食足りて礼節を知る」と言われる。

生活を送る上で礼節は大事だが、それは衣食が足りてこその話だ。

人間は何かを着ないと、人に会えない。

そして何かを食べないと、生きていけない、

人間にが生きていく上で、衣食は、何が何でも最優先して確保するべきものだ。

 

それに比べ芸能や芸術は、衣食足りた人間が、更に充実した生き方を模索する時には大きな効果、効能を発揮する。

芸術や芸能は、確かに人生を滋味豊かにする効果は高いが、最悪、それが無くても、人間は生き永らえることは可能だ。

だから、例えば戦争などの非常事態になると、誰もが精神的、金銭的な余裕がなくなり、芸術がどうのこうのどころではなくなる。

 

では、現在の武漢肺炎はどうだろう。

人類の歴史はウィルスとの戦いだったとの意見があるが、武漢肺炎は将にそれで、昨年末から急に、世界中が直面した戦争なのだ。

ウィルスとの戦いと言っても、昔はウィルスの対策処方確立の戦いだったので、克服するワクチンが見つかり、患者が健康を取り戻せば終了だった。

しかしグローバル時代の今日では、単に病気の発症以外に、グローバル経済活動を止めてしまう恐怖があるし、その被害は、どこまで拡大するのか分からない。

今回の武漢肺炎に対しても、防疫か経済かが議論されたが、袋小路で結論は出ない。

武漢肺炎は、それほど厄介な災厄だ。

 

国民は、食料品は買わざるを得ないので、スーパーには出かける。

しかし普通の感覚では、銀座の高級クラブや新宿のホストクラブにまで出向く気になるまでには、まだまだカネと時間の余裕が必要だ。

だから、他の分野に比べtれば、虚飾の世界の被害が甚大なのも容易に想像できる。

 

問題は、限りある支援金を、どこからどう配分するかだ。

当然だが、事業者への支援なら、生活必需品の調達こそ最優先される。

その場合、不要不急の銀座クラブやホストクラブが割を食うのは、やむを得ない。

常日頃、コストなど無関係な価格設定で、暴利をむさぼることで成立する業種への支援が後回しされるのは、当事者は大不満でも、たいていの国民は納得する。

 

そもそも本来、銀座クラブやホストクラブは、見栄や衒いで凝固まっているはずだ。

料金が高ければ高いほど、自己満足する人たちのサロンのはずなのに、それが至って当たり前のように、極めて現実的な持続給付金請求を口にする。

それでは、明日をも知れないような不安の中で事業活動をしている人たちと一緒の事なので、むしろ沽券にかかわるはずだと思ってしまう。

 

虚飾の世界の人たちだから、持続支援給付金など貰うなと言っているのではない、

権利があるのなら、全部貰えば良い。

しかし、テレビにまで顔を出し、「私たちも困っています」と同情を買うような行為は、日頃のゴージャス感覚の人たちにみっとも良いものではない。

普通の企業と同様に、黙って手続きをして、静かに入手すれば良い。

誇り高い銀座のママやホストなら、「武士は食わねど高楊枝!」だろう。

 

とは思うが、最近はそんなやせ我慢をする、カッコつけ野郎たちはいないようだ。