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大災害発生とNHK報道

都知事選でも泡沫候補だった立花孝志だが、一時期は時代の寵児扱いだった。

有名ユーチューバーが挙って立花の手法を称賛し、奇抜な選挙運動も話題となった。

立花が、愛嬌を振りまきながら使うキャッチフレーズ、「NHKをぶっ壊す!」は流行語にもなるほど、一挙手一投足が注目された。

立花自身も、党首として参議院議員に当選するなど、N国党は政党要件まで満たした。

その大きな原因は、立花自身のキャラクターがユニークだったことと、何より「NHK受信料の強制的徴収に反対」とのシンプルな政治主張だ。

確かに、NHKを見ないのに受信料を取られるのは、不合理極まりないと思う人が多く、NHKにスクランブル放送を求める、立花とN国党の主張は、分かりやすく、且つ支持を仰ぎやすいモノだった。

また立花は、NHKの番組作りは、実質的に外国人社員が多い電通に乗っ取られている状況なので、必然的に偏向放送になるとも訴えた。

一方のNHK側は、公共放送の役割を果たすためには、受信料が必須だと反論した。

 

僕は、両方の意見を自分なりに考えてみたが、

・確かにNHKの偏向報道は、特に特集番組では我慢の限界を超えている

・NHKニュースですら、政権批判の思惑を隠しながら伝えられている

・しかしNHKだけが、良く知られていない日本文化を国民に紹介することができる

・NHKは、災害発生時に他の番組を犠牲にしても、被害状況を実況中継できる

ことから、功罪相半ばするものの、公共放送NHKの存在は絶対に必要と思い、従来通り自動引き落としで受信料を支払い続けている。

 

去年の秋には、我が家も含む関東地区でも、三度に亘る大雨災害が発生し、大規模発生の恐れから避難命令まで発表された。

昨年の関東の大雨は、悪夢の民主党事業仕分の魔の手を逃れた八ッ場ダムのお陰で、幸いにも我が家周辺は水害を免れたが、利根川や荒川流域では大被害が発生した。

今年はここに来て、昨年のような線状降水帯による大雨で、九州全域で大規模災害が発生し、既に死者55人、心肺停止5人、行方不明10人が出ている。

 

その九州地区には親戚縁者も多く、その中で叔母の家で床上浸水の被害が発生した。

電話口で「何でもかんでも全部、流されてしまったヨ」と力なく嘆く叔母を見ると、去年の関東の悪夢が蘇り、文字通り他人事ではない気持ちになる。

 

そんな被害状況を、NHKはほとんど休みなく実況中継する。

最近は民放のワイドショーなど見ないが、昔の民放の報道姿勢は、被害者にマイクを突きつけ、被害の程度のヒドサを強調するものばかりだった。

しかし現実に、身内に具体的な被害が発生すると、そんな安全地帯から被害に注目するような、野次馬が欲しがる情報などはまるで不要不急だと分かる。

一番知りたいのは、どの場所で、どの程度の被害が発生しているかの状況報告と、今後の天候予測であり、被害を逃れる手段の紹介なのだ。

被害者が、「急に水嵩が増えて驚いた」とか「怖かったァ」と、身振り手振りで臨場感タップリに話す感想などはどうでもいい。

 

テレビをつけると、そんな必要な情報を流しているのは、公共放送のNHKしかない。

今回も、実際にNHKを見て被害の状況を知った知り合いから、我が家の親類縁者の安否を心配する電話は引きも切らなかった。

こんな災害が起きた時の、NHKの視聴率の高さが良く分かる。

平時は、NHKの偏向報道が続くのでアタマにきているが、電話も通じないほどの災害時には、NHKのニュースで状況を確認しないと不安感ばかりになる。

 

政党としてのN国党は衰退の一途なので、今後大きな社会現象を引き起こす力はない。

花の影響力が小さくなれば、NHK受信料不払い運動も尻すぼみになる。

後顧の憂いがなくなったNHKは一安心だが、さりとて何十年に一度の災害報道だけが取柄では、一旦NHKの矛盾点に気が付いた国民の不満は消えない。

NHKには、妙なヒダリがかった思い込みの番組編成を止めて、放送法を順守した、両論併記の公平中立な情報提供を望みたい。

しかし、現在進行形の災害報道については、CMなしだし、スポンサーへの配慮も不要で放送できるNHKの独壇場だ。

やはりNHK受信料の支払いは必要だ。