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河井夫婦起訴と保守派論客たち

国会が閉会した6月18日に逮捕された河井夫婦が、公職選挙法違反で起訴された。

容疑は2900万円の買収なので、軽い罪ではない。

 

当初は、妻の河井案里の選挙運動で、ウグイス嬢に3万円を支払った容疑だった。

しかしこれは、現行法律の給与上限15千円が有名無実と化していて、3万円は常識的な報酬とされていたので、これでは起訴など不可能だと見做されていた。

だがその捜査中に、選挙の実質的責任者だった夫の克行容疑者のパソコンから、地元議員への賄賂買収工作証拠が見つかり、一気に夫婦揃っての逮捕にまで進んだものだ。

 

この事件で、摩訶不思議なことが二点ある。

一点目は、候補者なら誰でもやっているはずの、ウグイス嬢への過剰支払いが、なぜ案里議員だけ司直の手にかかったのかだ。

これはどう考えても、河井夫婦を快く思っていない側の、内部告発しかない。

今回の案里議員の立候補は、結果的に現職自民党議員の落選へとつながった。

定員二名の選挙区に、自民党から現職議員と新人の案里議員を立てて、自民党として二議席独占を狙ったものなので、その意気込みや良し。

しかし結果が失敗すると、当然ながら、割を食った方には不満が残る。。

今回は現職が落選し新人の案里議員が当選したから、現職の不満は推して知るべしだ。

しかも自民党からの準備金は、現職には15百万円なのに、案理議員にはその10倍も支給されている。

同じ選挙区の候補者なのに、扱いに大きな差をつけられ、しかも落選してしまった現職からすれば「フザケルナ!」で、憤懣やるかたないはずだ。

 

二つ目は、河井克行議員の警戒心の無さ加減と、自民党議員の仲間意識の欠如だ。

買収工作を仕掛けた克行容疑者が、自分のパソコンに証拠書類を残していたのは、自業自得以前の、議員としてあるまじき大チョンボで、話にならない。

一方の、金を貰った側の自民党地方議員たちは、検察の聴取を受けて、いとも簡単に自らの収賄行為を供述しているが、そこには克行議員を庇う姿勢が見られない。

買収した側もされた側も罰される法律なのに、片方が簡単に自分の非を認めるだけでなく、相手の贈賄行為をゲロってしまうとは、人情紙風船ではないか。

そこには、司法取引があったと噂されていたが、ここに来て収賄側の議員は全員が不起訴処分となったことで、司法の狙いは河井夫婦に絞られていたことが判明した。

 

しかも、自民党から支給された選挙準備金が、買収の資金源だったともみられている。

当選後の案里議員が二階派に所属したことから、金を差配する二階幹事長の思惑と、自民党が組織を挙げて案里候補を支援していたことが、容易に推測される。

司法取引で我が身を守りたい気持ちは分かるが、一方では党員として、自民党自民党の仲間への忠誠心はないのだろうか。

しかし現実は、案里議員を応援した議員の誰一人として、河井夫婦を庇わなかった。

 

ここから河井克行容疑者の、驚くほどの人望のなさが見て取れる。

実際に克行容疑者は、運転手にスピード違反を強制したり、事務所内のパワハラをバラされたり、誰からも嫌われていた人物のようだ。

実は、元週刊文春の編集長で、今は保守的論客の一人で知られる「月刊HANADA」の編集長、花田紀凱は、この河井夫婦と入魂の間柄らしい。

河井克行法務大臣になった時に、「原稿を依頼しようと思ったが、入閣で見送りなった」と残念がっていたし、「逮捕される前日に、河井夫婦と連絡したが、両者とも意気軒高だったので、一日も早い復帰を望む」とコメントもしていた。

 

しかし雑誌の編集者として、この人を見る目の無さは致命的だろう。

花田は、百田尚樹が自著「殉愛」で名誉棄損で訴えられた時も、百田擁護一辺倒で、原告に対して「勝ち目がないのに、百田を訴えたのか理解できない」と誹謗していた。

しかしその裁判結果は、地裁、高裁、最高裁と、被告人百田の三連敗で敗訴が決定したが、途端に、それまで饒舌だった百田だけでなく、応援団を買って出ていた花田も、この件について沈黙を決め込み、言論人としての説明責任を果たす気など、全くない。

百田に至っては、「殉愛」の内容に疑問を呈しただけで、その人をTwitterからブロックしてしまう、実はとっても小心者なのも分かっている。

 

まるで無警戒に、買収行為を仕出かした河井克行容疑者。

ベストセラー作家として、歯に衣着せぬ口ぶりで他人を攻撃するが、裁判で認定された自分の非については、ひたすら沈黙してやり過ごす偽国士。

そしてその両方を評価し、言論分野で支援してきた、辣腕と噂される雑誌編集長。

こんな輩たちが、代表的保守政治家と、代表的保守派言論人として注目を集めていた。

サヨク界隈の人材枯渇と思想r劣化を指摘されて久しいが、保守派もまた、こんな連中が目立っているようでは、お里が知れる。