一時期世の中をにぎわしていた、百田尚樹対橋下徹の舌戦がすっかり陰を潜めた。
百田の質問、詰問を、橋下が無視しているからだ。
それまでの罵倒合戦が激しかったので、突然の橋下の沈黙は、世間にはどう映るのか?
恐らく後になって、橋下は「百田など相手にするに値せず」と言い訳するだろうが、この口喧嘩の結末は、「橋下の戦意喪失で百田のTKO勝ち」として残る。
口喧嘩の鉄則で、敗者は黙り込むからだ。
その百田もまた、過去には自慢できない黒歴史がある。
やしきたかじんと嫁さんのなりそめを書いた「殉愛」が、たかじんの娘やマネージャーから、名誉を棄損したと訴えられたのだ。
裁判になっても百田は、「内容は全て事実」と、真実のドキュメントと言い張っていたが、裁判では地裁、高裁、最高裁と三連敗を喫し、そのまま敗訴が決定した。
百田側にはそれ以上の対抗手段がないことから、当然ながら裁判で命じられた罰金を支払ったものと思われるが、百田は本件に関して、貝の如く沈黙を守っている。
まるで橋下と同じで、黙ることで忘れられると期待するセコさだが、百田はビビリ体質のようで、Twitterで殉愛裁判に触れられた途端に、ブロックする醜態を晒している。
これは、百田が「殉愛裁判」で、完敗したことを表す沈黙だ。
ついでに言えば、この裁判中、百田には応援団がついていた。
花田紀凱を始めとする右派論客たちで、彼らは「裁判で百田の正しさが明らかになる」とか、「原告が百田を訴えた理由が分からない」とか、ことあるごとに百田を応援し、原告を非難していた。
しかし裁判結果で百田の敗訴が決まって以降、本件についてはひたすら沈黙のままだ。
この百田応援団連中の沈黙もまた、彼らの敗北を表している。
最近の話題では、上念司もまた沈黙案件がある。
その饒舌ぶりから、別名「マシンガントークの上念」と言われるほどお喋りなので、沈黙するはずなどないと思うが、実は彼にも探られれば痛い腹がある。
それはIR汚職疑惑で逮捕された、秋元司との交友についてだ。
秋元司は、保釈中に口止め工作に明け暮れ、前代未聞の再逮捕されてしまったワルだ。
秋元は、逮捕されても誰一人同情しなかった言われるほど、元々、評判が最悪の政治家だったが、その秋元が親しく付き合っていたのが上念司だったらしいのだ。
あんな胡散臭い奴と仲が良かったとなると、それだけで上念司も色眼鏡で見られる。
上念が、自ら進んで身の潔白を証明すれば別だが、しかし上念は「彼と親しいのは事実だが、刑事事件なので結論が出るまでは黙っている」と言い訳した。
一見正論にも聞こえるが、その道の識者には「上念は灰色を通り越して、限りなく黒」の印象を与える言動だ。
ここでの沈黙は、甚だしく秋元の同類と見做されてしまう。
たまたま保守的で、且つ超雄弁な論客と思われている橋下徹。百田尚樹、上念司が、軌を同じくして沈黙する事態を迎えている。
ヒダリ巻き連中のダブルスタンダードは、見飽きるほど多発されてきた。
しかし、右寄り連中もまた、同病相哀れむような不始末を仕出かしている。
要は、右も左も、ちょっとばかり有名になった連中は、清廉潔白には程遠く、叩けば埃が出ることがバレてしまった。
似たような身内ばかりと付き合っていると、ドンドン世間が狭くなり、自分の過ちにも気が付かなくなる。
幸いにして、世間的には全く無名な存在の当方は、ブログで少々羽目を外しても、間違った意見をを言っても、他人様から厳しく糾弾されることはない。
だからと言って、傍若無人な立ち居振る舞いは許されない、
・以て他山の石!
・実るほど頭を垂れる稲穂かな!
・人生全てが学び!
。人の振り見て我が振り直せ!
と謙虚に過ごさないと、世間から白い目で見られ、結果として自ら墓穴に飛び込む事態を招きかねない。
世の中の片隅で、じっと沈黙せざるを得なくなることは、避けたいものだ。