昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

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中核派と日本共産党

中核派の最高指導者が、51年ぶりに姿を現したとニュースになった。

清水丈夫、その業界筋で「シミタケ」と称される有名人だが、何と御年82歳。

最後に確認されたのが、1969年とも1970年とも言われ、半世紀に亘って消息不明だったらしい。

孫と遊んでいるのが似合う年齢だが、この歳で革命戦士を続けていたとは、さぞや厳しい生活を送ってきたのだろう。

 

シミタケが喋ったとされる、自己批判の内容がまた泣かせる。

 ・「近年の指導方針を誤り、活動を充実させることができなかった」

 ・「組織方針を巡る混乱は自らの責任」

 ・「直接皆さんと向き合って討論したい」

通常は、共産主義組織で幹部がこんな坊主懺悔のような自己批判する時は、粛清され地位を追われる時だ。

中核派内部でどのような路線対立があったのかは不明だが、最高指導者が自己批判するほど、中核派の活動が低迷していることだけは間違いない。

 

中核派と言えば、サヨク界隈でもとびぬけて過激なテロ集団だった。

特にシミタケは、革マル派と殺し合いまで仕出かした内ゲバの中心人物なので、叩けばいくらでもホコリが出てくる。

殺人教唆などの罪が立証できれば、死刑すら間違いないようなオオモノ幹部だ。

中核派広報は「(消息不明の間は)非合法活動に従事していた」と認めている。

当然ながら警察としては、出頭させて取り調べをすることが必要となる

シミタケが公の場に姿を現したのは、そんな過去の悪行を反省し、罪を償う積りなのか、あるいは警察は犯罪を立証できないと高を括っているのか、今後の進展が注目だ。

 

実際に現在の中核派の活動の大半は、暴力手段ではなく、一見平和的なデモや集会だ。

中核派の名前も伏せて、市民団体を名乗り、沖縄辺野古基地反対、関西生コン事件、ヘイトスピーチ反対、アイヌ新法などで、新たなメンバーを増やそうとしている。

また地方選挙も熱心に取り組み、れいわ新選組山本太郎の周辺には中核派活動家が跋扈しているとの情報もある。

もはや共産主義暴力革命は不可能なので、ソフト路線での組織拡大で、実質的な共産主義革命を成功させようとする考えだ。

 

これはデジャブだ。

日本共産党が、暴力革命を諦めて平和革命路線に転向したのと全く一緒だ。

歌声集会や核兵器反対などの平和活動の結果、共産党衆議院議員12名、参議院議員13名、合計25名の国会議員を有する国政政党となった。

しかしもちろん、こんな数字では共産主義革命などできっこない。

急がば回れ

窮地の共産党がとったのが、野党統一候補擁立作戦だ。

統一候補さえ擁立できれば、あとは共産党持ち前の組織力と、共産党員の滅私奉公で、野党内で影響力を強化できる。

そのうちに、統一野党内では共産党が主導権をとれるし、うまくいけば組織そのものを乗っ取ることも可能になる。

共産党の思惑は、大方こんなところだろう。

 

哀れなのは、そんな恐ろしいことを目論む共産党に対して、無警戒に選挙協力を要請する頓珍漢な野党連中だ。

ただただ選挙に勝つことしか考えないから、後先のことに気が回らない。

議員であり続けるには、ゾンビで生き残るしか方法がないような立憲民主党の下っ端議員連中には、共産党選挙協力は麻薬でしかなく、仮に共産党の後押しで選挙に勝とうものなら、その瞬間から共産党の言いなりにならざるを得ない。

 

そんな共産党が辿った道を、市民団体を装った中核派が踏襲している。

中核派最高指導者が姿を現したのは、共産主義に内在する暴力路線が破綻したためだが、今度は一見すればソフト路線で社会への浸透を図る。

しかしそれもうまくいかないことは、中核派より65年も早く路線転向した日本共産党が証明している。

 

要は、共産主義が間違っているのだ。

共産主義を捨てない限り、中核派日本共産党も、組織としての展望は開けない。

逮捕される危険を押して、半世紀ぶりに現れたシミタケの82年間の人生を思うと、お花畑の理想主義に一生を捧げた、老革命家に対して憐憫の情を禁じ得ない。

同時に、組織員の覚醒を許さない、硬直した共産主義組織の持つ恐ろしさも痛感する。

 

格差のない平等社会の実現を目指した共産主義だが、実際は至る所で人類の憎悪と分裂、分断を招き、戦争以上の死者を生み出した最悪の思想だった。