いやはや我ながら、現金なものだと思う。
武漢肺炎が猖獗を極めた時は、ジョー・バイデンのようにひたすら穴籠り生活だった。
ヤツと違うのは、息子がロシアと中国から巨額支援を受けて大金持ちで、家に地下室まであるバイデンに比べ、当方はしがない年金生活の瘋癲老人と言う点だけだ。
その臆病者は、一時期は感染すれば命の危機とまでビビっていたのに、もはや些か諦めの境地に達し、武漢肺炎への恐怖感も薄らいできている。
その老人が、Go toキャンペーンの甘言に誘われ、ノコノコ穴倉から出てみた。
Go toキャンペーンの当初に、除外されていた東京都も、適用の対象となった。
世間もまた、次第に武漢肺炎の実態が明らかになり、経済の活性化を求め始めた。
残暑の厳しさも消え、絶好の旅行日和になったのも大きいのだろう。
ニュースでは、観光地は今年初めてと言っていいほど、観光客が押しかけたらしい。
そこで我が家も、Go to キャンペーンを利用して小旅行しようと思いたった。
実は、行きつけの温泉宿がある。
と言っても、宿泊料金が結構高価な旅館なので、毎年通っている訳ではない。
二年に一度か、三年で二度の訪問間隔だが、それでも十年来の顧客なので、旅館の主人夫婦とも親しくなっている。
そこでこの旅館に、予約を申し込んだ。
ところが、一か月前はほとんど宿泊客がなくガラガラ開いていたはずなのに、この日の電話では「既に11月までは満室です」とのこと。
超低稼働率に悩んでいた旅館だが、今度は予約を断ることに大わらわなのだ。
確かに、Go toキャンペーンの内容は、旅行好きには魅力的だ。
いつもなら、夫婦二人で8万円はする宿泊費が、何と5万円ちょっとに下がる。
しかも、一人4千円のクーポンまで加わる。
このクーポンは、旅館周辺の施設でしか使用できないが、それでもお土産代や昼食代には大いに助かる。
要は、一人アタマ2万円も格安になるのだ。
割安感から、各地で高価なホテルや旅館に、予約が殺到しているようだ。
一方の旅行業者にとっても、Go toキャンペーンは干天の慈雨だ。
通常なら、旅行者が得をした分は、旅館やホテルの手取り減になるが、今回はGo toキャンペーンから補填される。
旅館やホテルは、全く懐が痛まない。
顧客にも業者にも、まさしくウィンウィンの施策だ。
更に言えば、この制度を導入を決定した政府にとっても、これで旅行業界の倒産を避けることになれば、いずれは雇用確保や税収増の形で、投入した税金が回収できる。
三方一両損ならぬ、三方全部得の、これこそ生きた税金の使い方だ。
ただ、この制度が導入された時の評判は最悪だった。
一時期鎮静化していた武漢肺炎だが、このGo toキャンペーン発表直後から、第二波襲来と騒がれ、感染者が増えたからだ。
当時の野党や反日マスコミは、いつもながらの安倍政権の攻撃材料として、徹底的にGo toキャンペーンをこき下ろし続けていた。
実はその当時でさえ、観光地や旅館側はGo toキャンペーンに感謝していた。
ただ、大票田の東京が、支給対象から外されたので、Go toキャンペーンの恩恵の広がりが少なかっただけだ。
この点は、当時の菅義偉官房長官が手厳しく批判していたように、武漢肺炎対策を手抜きしていた、小池百合子東京都知事の責任が大きい。
余談ながら、知事選前はあれほどテレビに露出して自己PRに余念がなかった小池百合子だが、緊急事態を迎えると、知事としての能力不足がバレバレになる。
当選後は、見るからにヤル気がなくなったが、こんな無能な都知事は、むしろ何もしない方が被害は小さいものだ。
今のGo toキャンペーンの大盛況ぶりをみれば、雨降って地固まる。
多くの人がGo toキャンペーンを利用して旅行すれば、武漢肺炎前の日常を取り戻すことが可能になるし、売り上げ減に苦しみ悩んだ業界も息を吹き返すだろう。
我が家も、第一ターゲットの旅館は諦めたが、やや遠いが第二候補の予約に成功したので、二泊三日の温泉旅行を楽しむことにした。