ガースー政権は「前例に拘らない」と、改革路線を宣言した。
エリート街道を歩んだ二世議員、安倍ちゃんに比べ、ガースーは叩き上げの一匹狼。
「しがらみが少ない分、改革を進めやすい」との好意的見方が多いし、ガースーの人柄まで好印象らしく、政権支持率も高水準を維持している。
中でも、携帯電話料金値下げは、もしも実現すれば政権の人気は更に上がる。
それを以て解散総選挙に打って出れば、与党の大勝は約束されたようなものだ。
実は現時点で選挙になっても、野党は抵抗手段がない。
自分たちだけは、鳴り物入りフレッシュ立憲民主党として再出発するはずが、安倍首相退陣とガースー内閣誕生に話題をさらわれ、全く支持率が上がらない。
だから、立憲民主党の枝野幸男代表が、「年内は政策論議を」と訴えていたが、ガースー仕事師内閣が額面通りに改革を進めれば、野党は壊滅的敗北を喫するのも自明だ。
袋小路の野党にとって、日本学術会議会員任命でガースーが大ナタを振るったのは、棚から落ちてきた牡丹餅のように見えただろう。
サァこれで反転攻勢と意気込んだのは良いが、野党の論理はいつもながら稚拙だ。
・学術会議が推薦した会員の中で、思想的に相容れない人の任命を拒否した
・これは、ガースー政権による学問の世界への、許すべからざる政治介入だ
・気に入らない学者を排除するのはファシズム
・学問の自由が侵害され、恐ろしい社会になる
要は、今回の任命拒否で、権力が言論弾圧に踏み切ったと訴え「サァ皆さん、ガースー政権は戦争準備を始めました」と、ありもしない危機感を煽り立てているのだ。
中には、「首相は天皇陛下と一緒で、推薦された人の任命権はあるが拒否権はない」と珍説を述べるヘンテコリンまで出ている。
天皇陛下と同等に扱われるとは、ガースー総理も出世したものだが、政治に関わらない天皇陛下と、政治そのもののガースーによる学術会員任命は、内容が全く違う。
これもまたモリカケサクラと同様のイチャモンなので、段々事態が明らかになると、却って日本学術会議の胡散臭さが露呈している。
ガースー政権批判の中には、ポピュリスト評論家、橋下徹を始めとして、「任命しない理由の説明責任」を問う声も多かった。
ここで多くの右派的意見の持ち主は、「安保法制に反対したり、共産党候補者を支援するような学者だから当たり前」と、任命拒否理由を納得している。
しかしどうも、事態はそう簡単でもなさそうだ。
今の論争が進めば、日本学術会議の存在そのものが、改革の対象になりかねないのだ。
・日本学術会議会員の推薦自体が、長老たちが藪の中で決める
・この組織には10憶円の税金が投入されている
・会員は終生年金を受け続けられる
そしてもちろん、学術会員にならなければ、学者が自分の研究をすることに支障を来すものでもない。
学問の自由と日本学術会議会員とは、全く関係がないのだ。
任命を拒否された会員候補たちは、何故会員になりたかったのか?
その組織に税金を投入するのなら、当然ながら成果のチェックも重要になる。
今回の日本学術会議を巡る騒動は、学者集団の名に隠れた既得権益を、順送りしながらしがみついていた連中の実態を暴露してしまった。
藪蛇とは、まさしくこのことだ。
そう思って見ると、任命を拒否された6人のうち、頑張って文句を言い続けている5人の学者の業績と品性が疑われる。
まさかとは思うし、ありえないとも思うが、功成り名を遂げた有名な学者様なのに、ひょっとして、終生年金が目当てなのかナァ?
オッとこれは、下種の勘繰り!(のはず)
ガースーは、河野太郎を行革担当大臣にして、二人三脚で改革を進めるらしい。
「作るのはガースーで、壊すのが河野」が役割分担と言う。
その河野太郎は早速、ハンコヤファックス廃止を進めている。
野党やサヨクが大騒ぎしている今回の任命拒否も、ガースー政権にとっては、ハンコ廃止と同程度の問題でしかない。
守旧派連中にとっては、安倍政権以上に扱いにくい政権だ。
尤も、ガースーにも些かヤバい面はある。
その最たるものが、アイヌ法案へのガースーの関与と、地元も巻き込むIR利権だ。
今まで、改革を前面に押し出した政治家には、碌なヤツがいなかった。
ガースー首相が、そんなインチキ改革政治家のイメージを本当に壊してくれれば、国民の生活が良くなる結果になるはずだ。
ガースー、ガンバ!