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バカとSNSは使いようで切れる

最近、SNSの恐ろしさを痛感させるミニ事件二件に遭遇した。

 

一つは、すっかり有名になったホリエモンVS餃子店事件で、事の顛末は

 ・ホリエモンと取り巻き二人が、とある餃子店を訪問

 ・その店は客にマスク着用を要請していた

 ・取り巻きの一人がマスク着用を店側から注意された

 ・するとそのオトコが、グダグダごね始めた

 ・そこで店のオーナーがホリエモン一行に退店要請

 ・その件をSNSで発表

 ・続いてホリエモンが、店名が分かる形でSNSに顛末をアップ

 ・するとホリエモン信奉者が大挙して、SNSで餃子店を攻撃

 ・オーナーの奥方が精神的に参ってしまい、餃子店は休業を発表

と言うものだ。

ホリエモンは、自分の講演会では客にマスク着用を義務付けていたオチまでついた。

 

本件に関するホリエモンのSNSも読んだが、「自分たちは丁寧に応答したが、オーナーから高飛車に追い出された」と、不満タラタラの自己弁護だった。

その場にいた訳ではないが、オーナー側の言い分を併せて読むと、ホリエモンが言うほど、彼らが紳士的に振る舞っていたとは思えない。

マスク未着用だと言って、有名人の自分たちに文句を言うとは何事かとの思い上がりから、オーナーにネチネチと屁理屈を捏ね回した、と思える節が見え隠れするからだ。

 

しかしホリエモン信奉者にとっては、この店は「大事な親分に恥をかかせた不届きモノ」であり、罵詈雑言を浴びせて潰す攻撃対象になってしまう。

その思惑通りに餃子店は休業したのだから、ホリエモンとその信奉者は溜飲が下がったかもしれない。

しかし第三者には、常識なしで世間知らずのバカ殿と、その太鼓持ち取り巻きの愚行にしか見えず、後味の悪さしか残らない。

 

もう一件は、世間的には全くニュースにもなっていないが、東京のとある地区のラーメン店を巡る騒ぎだ。

いつも行列ができるほど、ファンが多いラーメン店のご主人が、突然SNSでラーメン店廃業を発表した。

その内容は

 ・信頼していた店員とその家族に裏切られた

 ・自分の店の名物ラーメンをそっくりパクられ

 ・突然10月独立を宣言された

 ・更にスタッフを引き抜かれそうになった

 ・人間不信にかかり店を続ける自信がなくなった

 ・その店員は両替の一万円札を「ウッカリ」ポケットに入れるようなオトコ

と言うものだ。

 

有名店だけに、お馴染みさんから一斉に「やめないで」Tweetが殺到する。

同時に、独立した店の名前も晒され、今度はその店と新店主への批判Tweet雨あられと降り注ぐ。

師匠側の本家が、ショックのあまり廃業するのに、後ろ足で砂を掛けた形の店員の店が何食わぬ顔で開業するのは許せない。

そんな判官贔屓感情を刺激したようだ。

 

師匠側のSNSに、独立した店長は、

 ・引き続き元気です

 ・やられてもやり返さない

 ・辞めて良かった

 ・ありがとうございました

 ・お互いに頑張りましょう

Tweetしたが、これが挑戦的に見えたようで、却ってこの問題に関心のあるギャラリーに、火に油を注いだ結果になっている。

 

当方は、両方の店とも全く知らないので、どちらの言い分が正しいのか分からない。

しかしこんな時にSNSは、間違いなく一方の店を攻撃する強烈な武器になる。

「不義理するような人間に美味しいラーメンは作れない」とか「天罰が下る」などと言われると、せっかく新装開店しても、曰く付きの店に好んで出かける気分にならない。

開店したばかりの店には、大変な船出になってしまった。

 

SNSは、情報交換には実に便利なツールだ。

しかし使い方次第で、ある狙いを持って風評を巻き起こすことができるし、特定の対象を追い込む武器にもなる。

ホリエモンと餃子店、ラーメン屋同士のイザコザは、軍事目的に開発されたインターネットの便利さと恐ろしさの両面を見せている。