中国の王毅外相との会談ですっかりオトコを下げた茂木敏充外相。
茂木は、「経世会にあらずば自民党にあらず」とまで隆盛を極めた、自民党旧田中派唯一の総理候補だ。
外相就任直後は、海外ではハードネゴシエーターと評価されていると持ち上げられ、その外交術に期待されたこともある。
今回その茂木が、評判を落としたポイントは二つある。
・しかも王毅発言の間、ニヤついていた不謹慎さ
後者の批判は、茂木にはちょっと可哀そうだ。
何せ茂木は、眼が細い。
漫画を描く人なら分かるが、笑顔のほとんどは目を細めている。
王毅の発言中、本当は腸が煮えくり返っていたかもしれないのに、以て生まれた顔が笑っているように見えるのは、茂木は気の毒だった。
顔の良し悪しを、批判してはいけない。
僕は深く深く、茂木に同情している。
しかし前者は、茂木に言い訳の余地はない。
面と向かっての批判を控えるのは、日本人のやさしさでもあるが、生き馬の目を抜く国際社会では、その美風は通用しない。
ましてや相手は、序列25位とは言え、トランプ大統領に「人類の敵」とまで痛罵された中国共産党の幹部だ。
「話せば分かる」どころか「話しても絶対に分からない」人種なのだ。
そんな相手の間違い発言なら、その場で質さない限り、相手は「日本が非を認めた」と喧伝する。
日本外交の最高責任者が、中国に対して隙を見せたことは罪万死に値するし、本来なら自ら切腹、即ち辞任するべき事態だ。
少しはヤバいと思ったのだろう。
茂木は王毅の帰国を待っていたかのように、突然王毅発言と尖閣列島での中国の行状を批判をした。
茂木は参議院本会議で、会談で王毅に対して「尖閣列島は日本固有の領土であり領有権問題は存在しないと伝えた」と発言した。
是非ともそれが、事実であることを願いたい。
しかしそれならやはり、王毅の言いたい放題の直後に、日本の立場を強く主張するべきだった。
これはどう見ても、いじめっ子がいなくなった後に、急に強がってみせる弱虫にしか見えないので、日本の威信が傷ついてしまう。
国際社会では、失笑モノだろう。
「それは外交上の非礼にあたる」との批判があるかもしれない。
しかし、密室の会議で「強硬な申し入れをした」と言っても、相手に「そんなことはなかった」と返されたら水掛け論になってしまう。
そんなことは、中国だけでなく、韓国との外交交渉でも、日本は嫌と言うほど経験してきた。
中国も韓国も、信頼をベースにお付き合いができる国ではない。
茂木も、外相としては十二分にレクチャーを受けているはずだが、肝心の場面で日本の国益を損なってしまった。
茂木と茂木が所属する経世会は、今でも田中角栄以来の媚中政策に囚われていると疑わざるを得ない。
そう言えば、あの媚中派、媚韓派として悪名を轟かせ、保守派の一部から国賊扱いされる二階俊博もまた、旧田中派だった。
今や、自称「立憲民主党の一兵卒」の小沢一郎も、その昔は旧田中派のプリンスだった。
黙っていても総理大臣になれたはずの小沢は、派閥の権力闘争に敗北以降、ひたすら野党として自民党の足を引っ張り続けた。
その結果、政権交代の立役者になったが、余りの傲慢、強欲さで同志が減り続け、立憲民主党に逃げ込んだ時にはわずかに手兵4名にまで落ちぶれていた。
その小沢が一貫してブレなかったのが、政治資金への執着と媚中、媚韓の政治姿勢だった。
日本政府は、中国のSilent Invasionだけでなく、Noisy Invasionの更なる活発化も防ぐために、QUAD、台湾、アジア諸国(除韓国)の対中国包囲網確立を急がないといけない。
しかし、 旧田中派と中国は相性が良い。
と言うか、癒着の臭いが芬々としてくる。
茂木外相もそんな輩と、同じ穴の狢だ。
ガースー総理に良識があるのなら、中国の暴挙を防ぎ、尖閣列島を守りぬくために、一刻も早く茂木外相更迭に踏み切って欲しい。