アメリカでトランプ支持のデモに極左グループが突っ込み、ケガ人が出る事態となった。
日本ではケガ人こそいないが、トランプ再選を信じるグループと、バイデン当選を受け入れるグループが、ネット上で罵り合っている。
客観的に、且つ時系列でこれまでの事態を並べると、
・激戦州の多くは、開票直後はトランプがリードしていた
・だが終盤になって、悉くバイデンが逆転
・票の動きに不自然さがあり、郵便投票を巡って不正疑惑発生
・トランプ側が再集計依頼や不正開票を指摘
・トランプ側弁護士、ジュリアーニ、パウウェル、リンウッドが上訴
・激戦州では再集計の結果もバイデン当選
・裁判結果もトランプ敗訴が相次ぐ
・12月14日選挙人選定を前に、トランプは対抗策に窮していると、そんな状況だ。
トランプ再選を信じている連中は
・今回の大統領選で不正があったことは明らか
・集計会社のドミニオンは中国に買収され如何わしい
・そのドミニオンではトランプ票をバイデンに書き換えが可能
・そんな不正の結果、バイデンが当選しても認められない
・不正の実態を明らかにしないと、次の選挙でも不正が蔓延る
・それはアメリカ民主主義だけでなく、世界正義を損なう暴挙
と主張している。
・アメリカ軍がフランクフルトの集計会社サーバーを押収
・これで、不正疑惑解明が一気に進む
との情報を紹介したが、篠原常一郎がネットに、
・この時の銃撃戦の結果、死者が発生している
・不正に関与したCIA長官が逮捕、拘留された
と、更にまがまがしい追加情報を挙げた。
実は、この元々のニュースが、フェイクではないかと疑われていた。
その後CIA長官は普通に勤務しているとの否定情報が流れたが、百田はそれでも、依然として不正選挙を主張し続けている。
百田や、トランプが勝っていたはずと強調している連中の共通項は
・今回の選挙では絶対に大掛かりな不正があった
・それを明らかにする証拠は山のようにある
と確信していることだ。
これはトランプ弁護団だったジュリアーニやパウウェルが、「山のようにある証拠を裁判で提出する」との発言を信じているからだろう。
またネットでは、「これこそ不正の決定版」と称する録画や、宣誓証明書付きの証言が相次いでいるとの情報も流れた。
有本香は
・パウウェルはアメリカでも有名な凄腕弁護士
・戦争犯罪人を告発できるミリタリー・アトーニーの資格を持つ
・その人が根拠もなくバイデンの不正を告発するはずがない
と、バイデンが不正をしたことを前提に、大統領選を解説していた。
また「多数の証人が偽証罪に問われるリスクを押して、バイデン不正を告発した証言は信用できる」と喜ぶトランプ支持者も多かった。
しかし、冷静になって振り返れば、これらの主張はどうもおかしい。
そこまで大量の証拠があり、バイデンが不正を働いたことが事実なら、何故アメリカの裁判でトランプが負け続けるのか。
そもそも、山のようにあるはずの証拠が、全く裁判に提示されない。
こう言うと、決め手の証拠は最高裁まで取っておく作戦などと解説する評論家がいたが、ドンドン打つ手がなくなっているトランプにとっては、そんな悠長なことを考えている余裕はないはずだ。
百田は、「既にアメリカの司法にも中国の手が回っているから、裁判結果も信じられない」と、陰謀論を口にしている。
事ここに至ると、どんな情報も全て中国の陰謀で片づけられる。
しかしそもそも本当に、不正はあったのだろうか。
今回の開票の結果、獲得した選挙人の数でバイデンがトランプを上回ったことは間違いない。
問題は、バイデンが獲得した81百万票の中に、不正票がどれほどあるのかだ。
裁判所は、それは勝敗を覆すほどのモノではないと判断し、トランプの訴えを却下している。
アメリカの司法は「不正はあったかもしれないが、アメリカの民主主義を揺るがすような大規模のモノではない」とみているのだ。
それをほとんどネット経由の情報しかない日本人が、アメリカ大統領選は不正塗れと断定するのは大いにやり過ぎ、考え過ぎだ。
こんなことを繰り返している内に、1月実施の二議席を巡るジョージア上院議員選挙で、共和党苦戦との情報が流れ始めた。
トランプ支持者たちは、これもまた中国とアメリカ民主党が結託して、トランプを諦めさせるための陰謀と言うかもしれない。
しかし、今回の大統領選挙に関してだけ言えば、もはやトランプの逆転はない。
因みに12月14日、アメリカでは選挙人投票が行われ、最終的にバイデン306名、トランプ232名を獲得した。
それでも尚、当日の虎ノ門ニュースで藤井厳喜は「まだ何も決まっていない、勝負は1月6日」と頑張っている。
百田も当日、Twitterに「トランプにはまだ見せていない切り札がある」と書き込んだ。
しかしこの期に及ぶと、「まだ見せていない切り札」とは、いくら何でも「溜め過ぎ」だろう。
僕はトランプ大統領とアメリカ共和党を支持しているが、残念ながら今後の共和党は、バイデン政権を前提に選挙戦略を練り直した方が良いと思っている。