昔は平凡な企業戦士、今は辣腕頑固老人の日常!

日頃の思いや鬱憤を吐露!無礼千万なコメントは削除。

民主主義を守れ

百田尚樹は、完全にオカシイ。

トランプ支持の気持ちが昂じた余り、常軌を逸した発言や行動を繰り返している。

 

思えば昨年11月、有料の百田チャンネルで選挙速報をした時から狂いが生じていた。

この時の百田は、自分で事前に大統領選を取材したわけでもないのに、トランプの勝ちを断定して終了した。

しかしその後、郵便投票分が開票されるに従い、バイデン票が激増して、最終結果は多くの州でバイデンが勝ってしまった。

 

そこで次に百田が問題視したのは、

・この大統領選挙自体が民主党による大規模不正選挙

・その背景に中国がいる

との、陰謀論丸出しの説だった。

 

前者には、

ドミニオン社の集計機は不正の塊

・大量のトランプ票が、バイデンに書き換えられた

・数多く状況証拠がある

ジュリアーニ、パウウェルの敏腕弁護士が不正を暴く

・クラーケン発動

と、間もなくバイデンの不正が暴かれると威勢が良かった。

しかしその後、トランプが訴えた裁判で、次々と敗訴が決定される。

 

すると、後者の「中国が黒幕」説を言い始めた。

・裁判結果は中国の工作のため

・大半の裁判官は、既に中国に買収されている

そしてとうとう、6日に選挙人名簿受け取りを拒否しないなら、ペンス副大統領まで中国に買収されたと言い始めた。

もはや、バイデンの当選を認めないためには、ウソでも方便でもでっち上げでも、何でもありなのだ。

 

その止めは、年末の虎ノ門ニュースの発言だ。

百田は、

・状況は決して予断を許さない

・しかしこの選挙での不正を見過ごすわけにはいかない

共和党は二年後、四年後の選挙でも勝てなくなる

・中国の世界支配を許すのか否かの瀬戸際

アメリカだけでなく世界の民主主義の危機だ

と力説した。

 

そしてその解決のためには、トランプ大統領大統領令、即ち戒厳令を発動しなければならないとまで発言した。

最後の最後に「トランプさん、戒厳令を出して!」と呼びかける始末だった。

 

民主主義を守るためと言いながら、戒厳令発動を求める。

もちろん、そんな日本での世迷いごとがアメリカに届く訳ではないが 、これこそ、自家撞着の極みだ。

アメリカの司法は、大量の選挙違反があったことを認めていない。

しかし百田は、証拠もなく「不正選挙だ」と言い募っている。

弁護士や百田が、山ほどあると言っていたはずの証拠は、アメリカの裁判所が、具体的証拠として認めなかった。

すると、百田は「そんな裁判官は中国に買収されている」と言い出すが、勿論その証拠もなしだ。

 

それでも自分の思い込みだけで、戒厳令発動を求めるなど、それこど民主主義の破壊ではないか。

仮に、トランプ現大統領が自分の敗北を認めたくないから大統領令を発動させたら、その瞬間からアメリカが民主主義国家からトランプ独裁国家に変わることを意味する。

百田の理屈は、まるで無茶苦茶だ。

 

しかし一番の問題は、ネット社会には、こんな百田の意見に賛同する連中が大量に存在することだ。

むしろ、百田の妄想、妄言を諫める声は少数派で、トランプの大統領令発動を心待ちする連中の方が多数派だ。

これでは、「絶対に怪しい」との思い込みだけで、証拠もなく安倍政権を攻撃し続けた、日本の野党と全く一緒ではないか。

 

しかも百田やその同調者は、民主主義的手続きすら無視している。

いくら自説に自信があっても、それが多数派になるまで辛抱強く説得を重ねるのが民主主義の鉄則だ。

「中国の脅威が迫っているから、中国と同じ手法を用いるべき」と言うのは、その時点で民主主義の敗北を認めるのと一緒だ。

 

この一点だけで、民主主義が成熟するまでには、まだまだ多くの時間が必要なことが分かる。

民主主義は、まどろっこしい。

しかし今の世の中には、民主主義以上の統治形態はない。

面倒でも、我慢しなければならない。

そんな中で、威勢が良く影響力も大きいが、危険な体質の百田のような論客は、民主主義を守るためには要注意だ。