すったもんだの大騒ぎの挙句、バイデン政権がスタートした。
早速その就任式の演説に、賛否が分かれている。
たまたま見たフジテレビ「プライムニュース」では、民主党贔屓のデーブ・スペクターは「簡潔だが内容があった」と高評価し、返す刀でトランプの離任挨拶をケチョンケチョンに貶した。
一方、元産経新聞の古森義久は「トランプは75百万の支持を得た元大統領なので、レベルが低いとの見方は如何なものか」と、トランプを応援していた。
アメリカでの評価も、大方この二つに分かれているのだろう。
トランプ大統領時代の四年間は、毀誉褒貶が激しいからだ。
アメリカ大統領は、世界の指導者につながる、
それが、良くも悪くもカリスマ性に溢れたトランプから、地味なバイデンに政権が移行する。
アメリカ人だけでなく、世界中がバイデンの政策に注目している。
トランプから代わったバイデンが、先ず手掛けた政策変化が、パリ協定とWHO離脱の破棄だった。
一方、日本で最も懸念されていた対中国政策は、別段大きな路線変更の発表はなかった。
日本にすれば、新政権のこの二つの政策には無関心ではいられない。
バイデンは選挙中から、環境問題を重視すると述べていた。
トランプは環境問題を、国内経済への足かせになると消極的だったので、環境少女グレタ・ツゥーンベリからボロクソに言われていたのに比べると、大転換になる。
尤も日本の菅政権も、似たような政策を掲げている。
そしてこの政策は、間違いなく国内経済の足を引っ張る。
日米両政権とも、早晩批判を浴びることになるだろう。
最重要なバイデン政権の外交方針は、日本の国防、安全に直接的、且つ大規模に影響を及ぼす。
バイデン政権への不安の最たる点も、トランプが対中国で強硬路線を取り続けたものを撤回するのではだった。
バイデンと習近平の蜜月とか、息子のハンター・バイデンが買収されているとか、不安材料には事欠かなかった。
一方、アメリカ議会が対中国強硬方針だとか、中国との癒着がバレるので、却ってバイデンは路線変更できないと意見もあった。
この点では、就任式に台湾代表が参列とか、新国防長官の対中国強硬路線発表とか、現時点までは当初の不安が杞憂となっている。
また、北朝鮮とはトップ直接外交をしてきたトランプに比べ、バイデンは強硬路線と言われる。
日本でのトランプ人気の一因は、北朝鮮に関して、核問題と拉致問題解決の可能性を期待したからだ。
しかし結果として、両方とも全く成果がなかった。
トランプを以てしても解決の兆しさえない北朝鮮問題に、平和的交渉の余地があるのか?
もしもバイデンが、弱体化が噂される金正恩への圧力路線に舵を切れば、ここはむしろ今までの膠着状況を打破できるかも知れない。
バイデン政権が発足した以上、日本はバイデンの外交方針と付き合わざるを得ない。
バイデン政権の不安材料を論って、心配している暇はない。
むしろ積極的に新政権に働きかけ、常に日本の寄り沿う方針に引き込まないと、中国の侵略行為から尖閣も沖縄も守ることが難しくなる。
振り返ってみれば、トランプ政権誕生の時も、日本は経済面、外交面とも不安感でいっぱいだった。
それを安倍チャンの外交成果で、トランプは過去のどのアメリカ大統領よりも日本寄りの姿勢をとることになった。
その顰に倣って、ここは菅義偉、ガースーの出番だ。
2月にも実現が予定されているバイデンとの会談で、ガースー外交の神髄を見せて欲しい。
(のだが、心配だナァ)