ラーメン大好きだが、もう歳なのであちこちと食べ歩くことはない。
残った人生でラーメンを食べるチャンスは少ないだろうから、もしも初見の店で外れだったら勿体ないと後悔しそうだからだ。
そんな訳で、訪れるラーメン屋は、ほぼ三店に限られている。
一番のお気に入りは「永福町大勝軒系」の店。
一週間に一、二度は食べに行くし、お持ち帰りは毎週購入している。
二番目は「二郎系」の店で、一か月に二度くらい。
三番目は「家系」の店で、一か月に一度。
ラーメン店行脚の頻度はそんな程度だが、昨今の緊急事態宣言が、精神的にも実際上も重しになっている。
店の方が、自粛要請を受け入れ、営業時間を短縮しているからだ。
大勝軒系は昼だけの営業に限定していで、後は、お持ち帰り商品で売り上げ減をカバーしている。
二郎系は、要請通りに、午後8時までの自粛営業だ。
ところが、三番目の家系は違う。
「午前1時まで営業を続ける」と、わざわざ声明を発表したのだ。
当然ながら、賛否両論が寄せられる。
賛成派の言い分は、至極簡単だ。
・1時まで開いているのは有難い
・さすが、家系
・必ず食べに行きます
一方の反対派は辛らつだ。
・感染者が出たらどう責任を取る
・役所に訴えてやる
・こんな時でも儲け第一主義とは呆れる
・そんな店、二度と行かない
家系の店主は、
・午後8時以降の営業で感染が拡大している証拠でもあるのか
・罰金の50万円や100万円なら払ってでも営業を続ける
・最後は、客が判断してくれる
・こんな時も営業することで従業員が何かを感じるはず
と、実に意気軒高だ。
当方は、贔屓の店の所為もあるが、この家系の主張に賛同している。
「緊急事態宣言、自粛要請、何するものぞ!」
「我々は信念に基づいて、深夜まで営業するぞ!」
そんな店主の心意気、大いによし!だ。
そもそもガースー政権の武漢肺炎対策で、真面だったものはない。
Go toがそうで、観光業界やその関連業界にせっかく効果が出ていたのに、マスコミ世論に押されて中途でやめてしまった。
緊急事態もそうで、野党に迫られた結果、日本や地方経済に及ぼす悪影響など無視して、突然宣言した。
営業時間短縮で困った店には、補助金を出せば良いとの意見がある。
しかし特にラーメン屋のような飲食店では、常連が離れるかもしれないリスクは、将来を左右する死活問題だ。
しかも、自粛すれば感染が減ると、約束されたわけでもない。
店主は「万全の感染対策をとっている」とも話している。
実際に入店にはマスク必着だし、手洗い用の消毒器も完備され、換気にも気を遣っているらしい。
この店が好きで通っている客側も、精一杯の協力を惜しまない。
ここまでやってクラスターが発生すれば、その責任の全てが店にかけられ、評判がガタ落ちになるからだ。
店だって客だって、感染防止に必死なのだ。
一件くらいこんな根性の座った店があり、お上に対して「自粛の要請ならお断りです」と、啖呵を切る店主がいてもいいではないか。
当方、この店に通う回数をもっと増やすことにしよう。