尤も実質的には、上念司だけが、DHC番組から追放処分を受けたようなものだ。
アメリカ大統領選挙で、上念と同じような主張だったケント・ギルバードは、未だお呼びがかかっている。
虎ノ門ニュース主流派の百田尚樹や有本香が、上念を目の敵にしていることが良く分かる。
お払い箱の上念も、もはや遠慮は無用とばかりに、それまでは封印してきた百田や有本への攻撃を開始した。
上念が理事長を務める、偏向番組を監視する「視聴者の会」では、それまで理事を務めてきた百田と有本を追放し、新たに「新視聴者の会」を立ち上げた。
今や、ガチンコのバトル開始だ。
他人の喧嘩は、規模が大きいほど面白い。
両方に無関係な当方は、無責任に「もっとやれやれ!」と囃したい気持ちだ。
虎ノ門ニュースとニュース女子のレギュラーがなくなった上念が、余った時間で面白いYouTubeを立ち上げた。
「勝手に副音声」のタイトルで、
テレ朝 「羽鳥慎一モーニングショー」
を、同時進行の副音声で解説する内容だ。
これが実にも白い。
ここ数年、余りの偏向報道ぶりが嫌になって、ワイドショー番組など見る気にならなかった。
しかし主音声の音を絞って、YouTuberの上念の解説を聞きながら見ると、瞬時に偏向報道が把握できる。
こんな新たなエンターテインメントを作り出す能力の持ち主は、保守論客の中でも上念がピカイチだ。
上念の役割は審判なので、サッカーの審判服を着ている。
番組は「FIFAの方から来ました、FIFAではありませんよ、FIFAの方からです」の台詞で始まる。
「この番組のルールは、先ずイイねボタンを押して、次に共有ボタンで拡散する、一人一人が営業マンです」と名調子だ。
内容は、サヨクがかったコメンテーターの発言を、上念が逐一チェックしながら進行する。
青木理や玉川徹、反政府論客たちが番組側の強力オフェンス扱いで、専門家や田崎史郎はディフェンス役だが、これは上念の独断と偏見に依る。
上念の言う司令塔、羽鳥慎一のボール回しで、青木や玉川が反政府的問題発言をすると、途端に上念が笛を吹き「ゴール、ゴール!」と絶叫する。
稀に正論を喋ったりすると「オット、これはオウンゴール!」と茶化す。
更には、コメンテータがいつまでも本題に入らないと、イエローカードを提示して「遅延行為に教育的指導」が出される。
玉川がグダグダ喋り続けると、これまた「玉川さん、ノット・リリース・ザ・マイクの反則です」とイエローが出される。
反則は、サッカー、柔道、ラグビー競技からのごゴッタ煮だが、ノット・リリース・ザ・マイクなど、よくも考え付くものだ。
先週の番組では、ゲストの宇野某大学教授が、発言中に「キ〇ガイ沙汰」と使用禁止用語を使った。
途端に上念は「これはいけません、放送禁止用語です、放送事故です、これは一発レッド!」と、レッドカードを出す。
そのタイミングといい、喋り方といい、誠に面白く笑ってしまう。
聞いていても、上念の言葉への反射神経の鋭さが良く分かる。
上念は、このYouTubeに手応えを感じているようで、いすれは虎ノ門ニュースの解説もやりたいと話していた。
その場合は、今や論敵と化した百田や有本の意見に対して、上念が副音声でそれを冷やかすことがあるかもしれない。
最近の虎ノ門ニュースは陰謀論者が主流で、彼らは今までの論理破綻について、一切頬被りしている。
上念が、そんな彼らの恥部を炙り出せば、これは面白い見世物になる。
DHC番組から、石もて追われるような扱いを受けた上念だ。
元々お世話になった恩義はあるかもしれないが、そんなことに構う必要はない。
実際には、百田や有本の親衛隊は多数存在し、上念を攻撃し続けている。
しかし、上念だってまだまだ捨てたものではない。
それなりの応援団がついているし、何より、ここまでこじれた百田や有本との間に仲直りの可能性はない。
捨て身になった上念の大暴れが楽しみだ。