大村秀章愛知県知事リコールに賛成した43万筆のうち、83%が無効票だった件が、関係者の証言で少しずつ明らかになってきている。
責任者高須克弥氏も記者会見をして、この間の経緯を説明した。
一時間半に亘る記者会見だったが、正直言って高須氏は苦しい。
彼は一貫して、
・僕は不正が大嫌いだ
・その僕が不正を働くはずがないし、不正を指示することもない
・但しリコール問題の全責任は自分にある
・僕は逃げも隠れもしない
と、「オトコ高須の生き様」を根底に発言している。
選挙管理員会の指摘に対しては、高須氏は具体的に、
・今回の選管は、無効票、有効票を特定してはいない
・リコール請求のシステム上、一定の無効票発生は織込み済み
・50%から70%の発生は見込んでいた
・無効票と不正票は違う
・受任者が7万人以上いるのに、有効票が7万筆などあり得ない
・同一筆跡にも一目瞭然なものと、専門家でも判別不明がある
・厳密な筆跡鑑定は一件40万円、全数検査は膨大なカネが必要
・選管発表は「無効票」で、一度も「不正票」とは言っていない
・今回のリコールは、自分の体調悪化もあり休戦を宣言した
・個人情報保護のためには、そこでリコール票は返済するべき
・しかし未だに戻ってこない・
・憲法に沿ってリコール票を取り返すと、証拠隠滅と言われる
・自分の休戦宣言以降も運動継続した「烏合の衆」がいる
・リコールの会内部にも反対派が紛れ込んでいた
・自分こそ事態解明を求めたい
と反論した。
高須氏が最も力をいれているのは、
・リコールシステムが煩雑で、否応なく無効票が発生する。
・今回の選管の指摘は無効票があったと言うことだけ
・全てが不正票だとは決して言っていない
と言うことだ。
しかし実は、リコール運動が始まってすぐに、ボランティア集団からは、高須氏の見解とは違った情報が洩れていた。
彼らはかなり早い時点で
・このリコール票にはかなりの不正票が紛れ込んでいる
・その比率は80%くらいになるかもしれない
・応援演説に来た有本香氏経由で高須氏に実情と改善を訴えた
・提出直前のナンバリング作業で、多数の不正票の存在を確信
・高須氏の中止宣言以降の活動継続は、不正証拠隠滅を防ぐため
・その結果、リコール会の問題点が露呈された
・リコール会が集めた資金運営にも疑惑がある
と証言している。
個人情報保護を盾にリコール票を取り戻し、溶解処分しようとする高須氏と、それは不正証拠を隠滅するためとの見解が対立している。
ただ県知事リコール運動の受任者が、賛同者を集める段階で思うに任せない時に、まとめて書かせたモノがあることは間違いない。
高須氏は、選管に指摘されたのは無効票だけと言う。
だが、その無効票の内容が単なる書き間違いではなく、明らかに不正を狙ったものが多数あることも事実なのだ。
とにかく43万筆の中で、リコール要求の正筆は7万筆だった。
これほどの異常事態なので、個人情報保護も重要だが、何故これほどの不正が蔓延ったのかを、責任者の高須氏が先頭に立って明らかにしなければならない。
リコール選管は、正式にこの事件を刑事告発した。
ほぼ同時に、佐賀県のアルバイトでリコール用紙に、大量の捏造署名作業をやっていたことが明らかになった。
これは、誰かが主導して、組織的に不正署名を進めていたことだ。
もはや高須氏の言う、見えざる手による陰謀論では誰も納得しない。
このままでは、あいちトリエンナーレで反日作品が展示されたことを問題視した積りのリコール運動が、却って反日を追及する側の信用を毀損することになる。