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愛知県知事リコール不正の反省

「これで益々疑惑が深まった!」

モリカケ桜問題を追及した野党が、度々口にしたフレーズだ。

野党の場合は、何一つ具体的な証拠もないのに、全くの言い掛かりで「疑惑だ、疑惑だ」と騒ぎ立て、その都度空振りを繰り返した挙句の負け惜しみだった。

 

ところが、ところ変われば、同じセリフが説得力を持つ。

 

それが、愛知県知事リコール運動だ。

今や、大型不正選挙と同じ扱いの、前代未聞の事件になってきた。

この運動の重要人物は、高須克弥代表、河村たかし名古屋市長、田中孝博事務局長の三人だ。

ところがこの人たちが記者会見を開き、不正問題での身の潔白を説明をすればするほど、益々疑惑が腑適っているのだ。

彼らの説明に、全く説得力がないからだ。

 

ここに来て、リコール運動に関わってきた、ボランティアからの証言が続いている。

この間の経緯をYouTubeで発信している人も、複数存在している。

彼らによると、8月に始まった運動は、内部では既に9月の段階で不正投票を指摘されていたらしい。

ところが10月には高須は、Twitterで「内部に裏切者がいる」と、このボランティアたちを痛烈に批判した。

この時点で、リコールの会は深刻な内部分裂となっていたのだ。

 

ここで注目されるのは。ボランティア派が「リコール運動に不正がある」と訴えたことを、高須が徹底的に非難したことだ。

日頃の高須は「僕に盾ついても、謝罪すれば許す」と、太っ腹さを強調している。

ところがその高須が、わずか一か月前に共に大村知事リコールに立ち上がった同志のはずのボランティアを、烏合の衆とかスパイ、工作員、裏切り者、泥棒とまで口汚く罵っているのだ。

何がそこまで、高須の敵愾心を駆り立てたのか?

それはボランティアの指摘が、高須にとっては頂門の一針だったからに他ならない。

 

2020年8月、鳴り物入りで始まった愛知県知事リコール運動だが、愛知県民の関心は驚くほど低かったようだ。

ボランティアの証言では、一日かけても百筆とか二百筆とかしか集まらない状況が続いたらしい。

これでは二か月間の期限で、必要な87万筆の署名を集めるなど、到底できるはずがないことは自明だ。

高須が虎ノ門ニュースに出演したり、百田尚樹。有本香を始めとする強力助っ人陣に応援を依頼したのも無理はない。

 

それと同時に、高須本人がどこまで直接関与しているかは不明だが、少なくとも周囲が結果を忖度し、不正に手を染め始めた。

それが、運動の深刻な内部分裂を引き起こしたと考えられる。

だからこそリコール運動の不正指摘は、高須にはどうしても受け入れ難い、別の言い方をするなら、隠し果せねばならないことだった。

 

またリコールが不成立の時は、投票用紙は全部返却されることも、不正を容易にした原因の一つと思われる。

高須は繰り返し「自分に協力してくれた人の個人情報は、全責任を持って守る」と言い続けた。

この言葉は、リコールの会代表としては当たり前に聞こえるが、一方では、仮に不正をしても、その証拠は隠滅できることを意味する。

 

不正運動を訴えたために、高須に裏切者扱いされたボランティアが、一番恐れたのは、実はその証拠隠滅だった。

だからこそ彼らは、高須が11月に突然休戦宣言し、投票用紙返却を求めて以降も、独自にリコール運動を継続し、不正を訴え続けた。

そして通常ならすぐに用紙を返却するはずの選挙管理委員会が、今回投票用紙をチェックしたのは、そのボランティアの声を無視できなかったからだ。

 

このリコール運動に対する、愛知県民の反応は厳しい。

元よりリコール賛成票が必要数の10%にも満たなかったとだけでなく、不正の実態が明らかになって以降は、説明責任を果たさない三人のリーダーに強い批判が集中している。

警察の捜査も始まっているので、かなり大掛かりなリコール選挙違反の事件化も必至だろう。

 

因みに、このリコール運動に賛同しながら、今となってはダンマリを決め込む著名人を問題視する人たちも多い。

特に直接名古屋に乗り込んで応援演説した、百田尚樹、有本香、竹田恒泰武田邦彦や、イソジン吉村は、この事態への説明責任があるとの主張だ。

ボランティアの一人は「自分が頼んで署名してくれた人に申し訳ないから、知っている真実を話す」と話していた。

 

その気持ちは、分かないでもない。

しかし彼らは、リコールの趣旨に賛同し、リコール成立を訴えたのであり、不正には一切関わっていない。

僕にとっての百田や有本は、まるで信用できない人物なので、彼らの評判が落ちることをヤキモキ心配しているわけではない。

それでも尚、結果として不正運動だったからと言って、その不正について彼らに責任を問うことは無理筋だと思う。

 

彼らが考えるべきは、自分たちが応援したリコール要求が、全く愛知県民に受け入れられなかったとの現実だ。

自分たちの思いや主張が、必ずしも県民にとって優先するべき正義ではなかったことは、真摯に反省するべきだろう。

何故リコール運動が、愛民の民意を得ることができなかったのか?

それはまた、このリコールが成立することを強く願っていた、僕の反省でもある。