(石川や)浜の真砂は尽きるとも、世に盗人の種は尽きまじ
歴史的大泥棒と崇められる、石川五右衛門様の辞世の句と言われる。
泥棒と同様、有名人の不倫事件もまた「種は尽きまじ」だ。
ゲーノー人だけでなく、本格的アスリートだった卓球界のプリンセス、福原愛が不倫疑惑に巻き込まれた。
同時に、台湾の亭主江宏傑君のモラハラで離婚決意とも報じられる。
当の福原は、公式に謝罪しながらも、離婚を否定していない。
どうやら夫婦仲が離婚寸前なのと、日本に福原の不倫相手が存在することは間違いないようだ。
ここは、有名人不倫問題評論家を自称する、当方の出番だ。
当然ながら、福原の評判は悪い。
「二泊三日一緒にいたのに、相談相手でしたなどは通らない」
「子供がいるのに不謹慎」
「夫婦仲が悪いのなら、不倫の前に先ず離婚するべきで順番が違う」
所詮は他人事なのに、有名人のトラブルは、庶民にとっては蜜の味。
日本だけでなく、中国、台湾でも好感度が抜群で、商品価値の高い福原のスキャンダルだけに、出歯亀たちの関心が盛り上がっている。
個人的は全く平々凡々な恋愛経験しかないのに、当方は基本的に、他人の不倫には寛容だ。
恋愛には、倫理観を超える魔物がいる(と「その道の達人」から聞いた)からだ。
但し、そんな禁断の世界に足を踏み込むのなら、今持っている全てのモノを捨て去る覚悟が必要だ。
「家庭も、財産も、名声も、恋愛の前には無力」と、そこまで思い詰めれば、怖いモノなどないはず(ではないだろうか)。
世の中はFirst come, first servedが原則で、ラーメン屋の行列では割り込み厳禁だが、恋愛に関しては常識や理性で片付くものではない。
Cut inも、仕方がないのだ。
恋愛にタブーはない!(と聞いた気がする)。
ただ福原のように、離婚前に不倫がバレると、それまでの相方と別れるための条件が悪くなる恐れがある。
亭主が疑われているモラハラは、確たる証拠を提出するのが難しい。
確かにハラスメントは、加害者より被害者の発言が信じられやすい。
しかしそれも程度モノで、被害者と称する人が、実は亭主の目を盗んで羽を伸ばしていると、印象が逆転する。
勝負師として20年の経験を持つ福原としては、今回の行動は如何にも無警戒のユルフンだ。(女性にユルフンはセクハラ用語?)
福原愛と言えば、三歳の時からテレビのアイドルだった。
単に卓球が上手いだけでなく、ガキのくせに勝負に拘る負けず嫌いぶりが可愛くて、爆発的な人気者になった。
そのガキが長じてオリンピック選手になり、大して強くはないが、仲間に恵まれてメダリストにまでなった。
中国への卓球留学の経験のあり、中国語が堪能なので、日本人にしては珍しく、中国本土でも人気がある。
その後は、台湾のイケメン卓球選手と結婚し、一男一女をもうける。
台湾ではコマーシャルにも起用され、全く以て順風満帆な人生と思われていたが、やはり国際結婚はそう甘くはない。
日本人同士でも大変なのに、生まれも生活習慣も、更には選手としての実績や収入まで違う外国人との結婚生活は、難儀だったようだ。
著名度や稼ぎが嫁に劣る亭主が、劣等感の憂さ晴らしに当たり散らす光景も、テレビドラマではよくある話だ。
福原は、そのストレス解消を不倫に求めた。
今回の不倫相手は、昔からの知り合いと言うから結構深刻だ。
台湾に住んでいる子供二人や母親には、どう説明する積りなのか。
子供に関しては、福原が親権が放棄して夫が養育すれば済むが、夫の家族と一緒に生活していると言われる福原の母親は針の筵だろう。
余計なお世話ながら気になる。
ただ福原は、10代のころから恋多き乙女だった。
当時売り出し中だったテニスの錦織圭を、誘惑紛いのデートに誘い出したことも写真雑誌でバラされた。
そんな気性の福原が、単なる主婦や母親に甘んじることなく、どこまでもオンナを貫き通す覚悟で不倫に走った。
全てを捨て去り、裸一貫で新恋人とリスタートする積りなら、誰に文句を言われても「そんなのカンケイない、はいオッパッピー」。
他人の批判など気にせず、信じる道を進めばよい。
ただ福原は、苦しい言い訳をした。
「相手は相談相手で、一緒の部屋に泊まったことはない」。
ホイホイ浮かれ気分で二泊三日も一緒にいたのに、同じ部屋で寝てはいないとは、所謂「大人の恋愛関係ではない」と言いたいのだろう。
しかしこの言い訳は、福原には「オンナとしての魅力がない」ことを白状しているようなものだ。
こんなに長時間お付き合いして、しかも同じ屋根の下で過ごして「ハイ笑ってお別れ」などは、少女漫画の世界でしかない。
社会人のはずの不倫相手のイケメン君は、余程の暇人か、衆道男色の世界の住人なのか、可能性は小さいが潔癖症の世捨て人なのか。
こんな苦しい説明で、世間の大騒ぎが鎮まるはずはない。
下手な逃げ口上は、却って福原の信用を毀損するのだ。
福原が、
・今の夫には不満がある。
・私は本当に好きな人と、再婚して一緒に生活したい。
・それが、このイケメン君です。
と堂々と言い切れば、嫌いになる人もいるだろうが、福原の思いへの理解者も出てくるはずだ。
無論、今までの生活レベルを維持することは無理だろうが、それでも嫌なヤツと暮らすストレスからは解放される。
先輩の山尾志桜里のように、ギラギラギドギドの顔つきで「むき出しの好奇心には負けない」と、不倫街道まっしぐらなら、それはそれで天晴れなのだが。