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リコール不正事件の現状

愛知県知事リコール不正が、大詰めのようだ。

既に警察は、ほぼ全貌を把握しているとも言われる。

今週は虎ノ門ニュースが、このリコール不正について、月曜日と金曜日の二度に亘って放送した。

また3月30日に、当事者の一人で最重要人物とみられる田中孝博事務局長が、単独で記者会見を開いている。

 

時系列で見ると、29日虎ノ門ニュースで須田慎一郎が取材内容を報告したが、ここではほとんど予想通りの展開。

高須克弥院長と河村たかし市長へのインタビューでは

 ・高須は、不正には一切関わっていないと力説

 ・河村は、事態完全究明を強く訴えた

だけだった。

敢えて新しい面と言えば、誰がリコールの言い出しっぺかについて

 ・河村は田中から、高須が言い出しと吹き込まれていた

 ・高須は巻き込まれて参加と、竹田恒泰が証言

と、実は「高須は被害者」的な切り口を紹介していたことだが、この情報は問題解決には大して役に立たない。

 

この後が、田中へのインタビューだったが、この内容がひどい。

須田を前に田中が「テレビで見るよりスマートですね」とお追従を言うのも哀れだが、質問への答えは将にしどろもどろ。

佐賀県での不正アルバイトを聞かれ「不正は佐賀だけではない」などと言い出す始末で、印象は真っ黒け。

この日の須田は「田中が一番疑わしく、高須、河村はほぼ無罪」みたいに結論づけていた。

 

ところが翌30日、田中の単独記者会見で、衝撃の事実が出てきた。

この会見の目的は、元々は2月14日に行われるはずだった、リコールの会の会計報告だったが、一か月半も遅れたにしては、その内容は収入と支出を大雑把に纏めただけの平凡なモノ。

しかし一点だけ、今まで全く知らされてなかったことが報告された。

収入の項目に、高須からの借入金12百万円が計上されたのだ。

 

これは、二つの点で問題がある。

一つは政治資金規正法で、一人当たりの寄付金の上限が150万円と決められていることだ。

勿論このことをクリアするために、12百万円は高須からの貸付金となっている。

ところがここで、二っ目の問題が浮上する。

この貸付は、昨年12月14日に振り込まれているが、この時点では、既にリコールの会は活動を停止しているのだ。

高須自身が11月初旬に活動停止を表明し、その後もリコール活動を続けた連中を「裏切者」と罵倒している。

即ち高須は、自ら活動を停止させ、今後も活動する予定がない、言い換えれば返済能力がない団体に金を貸したことになる。

これでは、いくら言い逃れしようとも、寄付金になってしまう

30日の田中は「高須会長からは必ず返すように言われている」と説明したが、それは「リコールは継続されるかもしれず、その人たちが返済する可能性」と言い訳した。

しかし仮に今後リコール運動が再燃したとして、その当事者たちが自分に関係のない、高須からの借金を肩代わりするなど考えられない。

 

支出項目には、佐賀県不正署名アルバイト費用は計上されていない。

これは、今迄の田中の説明からすれば当たり前なのだが、では一体誰が発注し、カネを支払ったのかが問題になる。

田中はこの会見以前に「一切覚えはないが、確認書にサインした気がするので、その中に発注書が紛れ込んでいたかもしれない」と、アヤフヤ極まりない発言をしている。

そして30日の会見では「リコールの会としては一銭も支払っていないが、田中個人については回答を保留」と言った。

これは、田中個人がアルバイトを発注し、田中個人が経費を支払った可能性を残した発言だ。

一般論としてこんな発言をした場合は、ほぼ間違いなく田中は、不正署名に深く関わっている。

 

しかしでは何故、田中が個人的に私財を叩いてまで不正署名を集めたのか、その疑問が残る。

会社が倒産し、政治資金に事欠くと言われる田中は、その金のなさから、一時期はクラウドファンディング猫糞疑惑まで上がっていた。

その田中が、リコール不正署名に、15百万円もの自分のカネをつぎ込むはずはない。

 

須田は、31日に高須を車中で直撃取材した内容を、YouTubeにアップしている。

そこでの高須は「犯人は田中かも」とは言いながら「自分は聞いていないし、何も知らない」「事態の速い究明を」と相変わらずだ。

須田は、12百万円の貸付の返済の可能性が低いことや、何故今まで貸付金の存在を黙っていたのかについては、質問すらしない。

また高須は、ボランティアの一人を刑事告発した件で、「自分のモノを盗んだ窃盗容疑」と主張した。

しかしこのボランティアは、不正署名を告発するためにそれを証拠物件として、警察に提供している。

これが窃盗に当たるのか、須田は高須に問わない。

受任者が7万人いて、正票が7万筆しか集まらなかったことへの疑問も語られていた。

金曜日の虎ノ門ニュースでは、反対陣営の妨害工作も示唆し、一連の疑惑に高須が関与していないことを必死に印象付けようとしていた。

 

また高須が「カネの面倒は見る」と明言していたから、12百万円を貸付けるのは当たり前と、この件を不問にしていた。

しかしそれはあくまで返済が条件のはずで、そうでなければ政治資金規正法違反は濃厚だ。

YouTubeで須田は「高須が貸し付けた12百万円が佐賀の不正に使われたとの見方は無理がある」と、高須に代わって釈明した。

勿論、高須がダイレクトに不正資金を肩代りしたとは考えられない。

しかし佐賀のアルバイト代支払いで、結果として資金不足になったのなら、その不足分を補填するのは、不正に手を貸したのと一緒だ。

返却能力のないリコールの会に12百万 円を貸付け、そのリコールの会が不正作業の金が支払ったのなら、いくら「不正には鐚一文支払った積りはない」と強調しても通用しないからだ。

第一「カネは心配するな」と言うのは「何をやっても資金の面倒は見る」ことであり、カネに糸目をつけず不正に走ったとも考えられる。

 

名古屋市長選の告示日が近づいている。

それまでには、警察が具体的に動くと思われるが、果たして田中の尻尾切りで事態は収まるのか?

虎ノ門ニュース側の願望とは違い、名古屋では、高須は極めてピンチの雰囲気だ。